研究課題/領域番号 |
20K10716
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
有田 広美 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (30336599)
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研究分担者 |
藤本 悦子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (00107947)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
矢島 直樹 福井県立大学, 看護福祉学部, 助教 (40649208)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 下肢整形外科手術 / 高齢者 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
入院患者全体のうち65歳以上の患者が占める割合が増加し続けている。下肢の筋・骨格系の手術(以下、下肢整形外科手術)を受ける高齢患者は、変形性関節症、転倒や外傷による骨折等が考えられ、高齢であることが多い。また、加齢により認知機能が低下している可能性もある。加えて、治療に伴う疼痛や安静臥床、ライン類の挿入により心理的ストレスから睡眠障害をきたし、せん妄へと発展する可能性が高い。こうした高齢患者における睡眠の実態(どのような条件のある患者が、どの時期に睡眠状態が悪化するのか)を可視化できれば、睡眠を促すケアが必要な対象および適切な時期の根拠を示すことになり、ケアの効果を高めることが期待できる。そこで、本研究の目的は、下肢整形外手術を受ける65歳以上の患者に対して術前から術後一週間にマットレス下に敷く非装着型睡眠計を用いて睡眠状況と睡眠に影響する要因を明らかにすることにした。 初年度は、組織体制の整備と調査対象および方法の綿密な検討(プレテスト)を行い、研究受け入れ先である臨床施設から研究協力者を確保し、綿密な研究方法の検討と予備調査を行う予定であった。しかし、コロナ禍で家族の面会を制限している中での調査開始は難しく、施設の状況から開始が遅延している。その間、研究代表者の所属機関の倫理委員会で審査を経て承認を得た。研究メンバー間でコロナ禍において対象者に安全に調査を実施するための方法や病棟看護師スタッフとの連携をどのようにとっていくかなどの打ち合わせを重ねてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画を立案していた当初は、新型コロナウイルスのパンデミックを予想していなかった。2020年度はどこの診療施設も未曽有の新型コロナウイルス感染拡大に対して感染予防対策が優先となっていたこと、さらに研究フィールドとなる施設は、新型コロナウイルス感染患者の専門病棟を開設し、看護職者の勤務状況や応援体制による負担から調査開始を延期したため遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、第4波の感染拡大状況になり県独自の緊急事態宣言が発せられ臨床施設内に立ち入ることができない。落ち着き次第、調査協力を得て開始したい。 できるだけ、患者との接触を最小限にしてデータ収集する方法、訪問するときはマスク、フェイスシールド装着した感染対策などを説明していく。自由に面会できない家族に同意を得る方法を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度はコロナ禍で調査開始の見通しが立たなかったため物品購入を見合わせていたため次年度使用が生じた。2021年度は、新型コロナウイルス感染拡大の状況を見極めながら、調査用の物品購入、調査にかかる経費に使用する予定である。
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