研究課題/領域番号 |
20K10716
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研究機関 | 福井県立大学 |
研究代表者 |
有田 広美 福井県立大学, 看護福祉学部, 教授 (30336599)
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研究分担者 |
藤本 悦子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (00107947)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
矢島 直樹 福井県立大学, 看護福祉学部, 助教 (40649208)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 腰椎手術 / 膝股関節手術 / 高齢者 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
下肢整形外科手術を受ける患者は、変形性関節症、転倒や外傷による骨折等が考えられ、高齢であることが多い。また、加齢により認知機能が低下している可能性もある。加えて、治療に伴う疼痛や安静、ライン類の挿入により心理的ストレスから睡眠障害をきたし、せん妄へと発展する可能性が高い対象であると言える。そこで、こうした高齢患者における睡眠の実態を可視化することで、どのような条件のある患者が、どの時期に睡眠状態が悪化するのかを明らかにできれば、睡眠を促すケアが必要な対象、適切な時期の根拠を示すことになり、ケアの効果を高めることが期待できる。 本研究は、腰椎および下肢整形外手術を受けた高齢患者の術後一週間の睡眠の変化を明らかにすることを目的に、65歳以上の下肢の手術を受ける患者を対象として手術前日から術後一週間の睡眠をマット型睡眠計(眠りSCAN,(株)パラマウントベッド)とセントマリー病院睡眠質問票を用いて調査した。対象者は22名で、腰椎手術群(10名)と膝股関節手術群(12名)の2群間には睡眠パラメーターに有意な差はみられなかった。それぞれの群を分析すると、腰椎手術群の睡眠パラメーターは術前と術後に差はなかった。膝・股関節手術群において術後6夜の睡眠時間は手術前日に比べて有意に減少し、21:30から寝付くまでの時間は手術前日に比べて術後6夜は有意に増加していた。主観的睡眠感においては両群とも睡眠の深さと熟睡度には悪化が見られた。睡眠覚醒リズムの波形においては術後1週間たっても睡眠が分断され術前と全く異なるパターンが見られる対象者がいた。今回、腰椎手術群は睡眠パラメーターに術後の変化はなかったが、主観的睡眠感は悪化している人がいることに注目する必要があることが示唆された。
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