研究課題/領域番号 |
20K10734
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
丸山 幸恵 横浜市立大学, 医学部, 講師 (50550696)
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研究分担者 |
榎倉 朋美 横浜市立大学, 医学部, 助教 (20826763)
金田 明子 横浜市立大学, 医学部, 助教 (30848643)
土肥 眞奈 (菅野) 横浜市立大学, 医学部, 准教授 (50721081)
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
佐々木 晶世 横浜市立大学, 医学部, 講師 (90538018)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 意思決定支援 / 筋萎縮性側索硬化症 / 呼吸療法 / 看護支援 |
研究実績の概要 |
文献検索リソースを医中誌WEBならびにEBSCO hostを用い、筋萎縮性側索硬化症(ALS)療養者の呼吸療法の意思決定における看護支援の研究と動向について文献レビューを実施した。ALS療養者は「生きることへの欲求」を抱きながらも「生死間の葛藤」「呼吸困難感に対する不安と恐怖」、また「家族の介護負担のへの懸念」を抱いていた。ALS療養者のニーズに対して看護支援では、「療養生活のイメージ化」「全身状態のアセスメント」「症状緩和」のケアを実施し、何よりも「患者の意思尊重の徹底」や「本人の意思表示を待つ姿勢」を重要視していた。 2019年に調査した療養者の呼吸療法の意思決定支援の質的調査結果を基に、訪問看護認定看護師503人、在宅看護専門看護師、訪問看護を5年以上従事している訪問看護をと対象に、意思決定支援に関わる看護能力についてアンケート調査を実施した。ALS療養者の呼吸療法の意思決定支援に関する因子分析の結果、第1因子「ALS疾患の進行に合わせ療養者らしい生活を模索するための療養者の理解」第2因子「常にALS療養者の味方でいる看護師の態度」第3因子「ALS療養者が現実と向き合うことを促す能力」第4因子「介護依存度の高いALS療養者を支える家族介護者の負担感軽減」第5因子「訪問看護師のALS療養者との関わりの内省」第6因子「ALS療養者・家族が意思を考える余裕が持てるように体制整備」第7因子「ALS療養者や家族の心情を推し量り受止める能力」第8因子「ALS療養者・家族の感情を汲み取り、その時々に応じて対応を変化させる能力」が抽出された。これら因子の構造解析を実施し、第1因子が起点となり、各因子と関連性がみられた。特に第3因子と第9因子では双方向の関係を持ち、バランス考えて支援してく必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば2020年3月に実施予定のアンケート調査について、新型コロナウィルス感染拡大による調査への影響を考え、調査時期を2020年度5月へ遅らせて実施した。2020年度に予定していた難病拠点病院、難病医療協力病院に従事する看護師へのインタビュー調査は、訪問看護師に対するアンケート調査結果を踏まえたものであり、アンケ―調査分析を進めていたことで、医療機関へのインタビュー調査に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
難病拠点病院、難病医療協力病院に従事する看護師へALS患者の呼吸療法に関する意思決定支援についてインタビュー調査は、現在、ITネットワークが進みZoomでのインタビュー調査も可能であり、調査の時間調整の容易さも考えられる。主にZoomによるインタビュー調査を進め、2021年度内にインタビュー調査ならびに分析を実施する。訪問看護師に対するインタビュー調査結果、ならびに難病拠点病院、難病医療協力病院に従事する看護師のインタビュー結果を踏まえ、分担研究者とZoomによる検討会により、ALS患者の呼吸療法の意思決定支援の看護能力項目を精査し、2022年度にアンケート調査を計画する。このアンケート調査はデルファイ法を用い調査ごとの期間の設定が必要であり、アンケート調査自体は2022年度中に調査の終了を目指す。
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