研究課題/領域番号 |
20K10737
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研究機関 | 香川県立保健医療大学 |
研究代表者 |
岡西 幸恵 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 講師 (90746330)
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研究分担者 |
藤田 佐和 高知県立大学, 看護学部, 教授 (80199322)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 再発 / 転移 / がんサバイバー / 調和 / がん看護 |
研究実績の概要 |
本研究は,がんとの共生に重要と考える調和(harmony)に着目し,再発・転移がんサバイバーの調和を促進する看護援助方法を開発することを目的としている。 研究目標1は「再発・転移がんサバイバーの療養生活における調和の構造とプロセスを明らかにする」ことである。2020~2023年度にかけて再発・転移がんサバイバーを対象としたインタビュー調査を実施し,男性6名,女性10名の計16名からデータを得ることができた。2023年度は,そのデータをもとにM-GTAを用いて分析した。分析の結果,再発・転移がんサバイバーの療養生活における調和は,『ニュートラルな自分で生きる』を中核に据え,【変わりゆく状況に自己存在が揺らぐ】から【死を傍におき自分軸をもつ】【がんは自分の一部である】【自己の拡がりに気づく】自己認識の拡大プロセスであり,【今あるものに意識を向ける】【安定した自分を確保する】方略との相互作用により支えられ促進されるものであることが明らかになった。『ニュートラルな自分で生きる』を中核に据えることは,自己認識とコントロール感覚の回復・拡大を促し,最良な健康を保つ療養生活の支えになることが示唆された。研究目標1の研究成果は学会発表予定である。現在は,論文投稿に向けて準備を進めている。 2024年度は,研究目標2の「がん看護専門看護師による再発・転移がんサバイバーの調和を支える看護実践を明らかにする」ことについて,研究目標1の成果をもとに研究計画書を作成し,所属施設の倫理審査を受け,インタビュー調査・分析を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19の影響を受け,研究目標1の実施困難な状況が続いた。また,分析に時間を要し,研究目標2は,研究目標1の分析結果を活用するため,研究全体が遅れる結果となっている。
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今後の研究の推進方策 |
研究目標1の学会発表,論文投稿と,研究目標2のがん看護専門看護師への調査実施にむけて準備し,研究目的の達成に向けて推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の影響で研究実施が予定通り進まず,調査および成果発表に必要な支出がなかったため,使用計画通りとならなかった。研究目標1の学会発表,論文投稿,研究目標2のインタビューに係る旅費や謝礼,データや資料を整理するための経費等に使用予定である。
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