研究課題/領域番号 |
20K10747
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研究機関 | 甲南女子大学 |
研究代表者 |
平野 方子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 講師 (30757456)
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研究分担者 |
師岡 友紀 武庫川女子大学, 看護学部, 教授 (40379269) [辞退]
藤本 かおり 梅花女子大学, 看護保健学部, 講師 (60757441)
池田 七衣 甲南女子大学, 看護リハビリテーション学部, 准教授 (80584549)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 看護過程 / 臨床推論 / 臨床判断 / 看護上の問題 / アセスメント / アセスメント能力 / 看護実践能力 |
研究実績の概要 |
本研究は全身麻酔で手術を受ける患者の術後の看護ケアに焦点をあて、看護学生の身体アセスメント能力を育む教育プログラムを開発し、身体アセスメント能力とアセスメントに基づく看護ケアの実践能力向上を目指している。 2020年度は学生や熟練看護師の看護実践における思考過程や看護実践におけるアセスメントの構造に関する文献や学術書を参考に暫定版資料の見直しを行った。2021年度は術後患者に共通して存在する看護上の問題を中心に据えて、疾患背景から看護ケアの間に跨るアセスメントの構造を図示し、構成要素と構成要素間の関係性を整理した。そしてアセスメント能力における評価指標を明確にするために、図示したアセスメントの構造と学術書の記述内容を比較検討した。その結果、学術書の記述は抽象度が高く、看護ケアの導出に至るまでのプロセスが不明瞭であることがわかった。2022年度はアセスメントの構造を具体化しアセスメント能力の評価指標を明確にするために、文献検討をさらにおこなった。加えて臨床経験のある看護師複数名を対象として看護上の問題を捉える際の思考過程をヒアリングした。それらの結果、初学者を対象とした学術書が示す一般的な看護上の問題の導き方と臨床経験のある看護師とでは明確な差異があることがわかった。2023年は疾患背景から看護ケアの導出に至るまでのプロセスとアセスメントの構造を演繹的推論プロセスに基づき具体化した。加えて知識レベルにおけるアセスメント能力、ならびにアセスメントに基づく看護実践能力の評価指標を見出し、評価表を作成した。これらは、熟練看護師の思考過程(臨床推論/臨床判断)に着目し、独自の視点を加えたものである。 2024年度は教材を完成させ、シミュレーションにより開発したプログラムの評価を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度は熟練看護師の思考過程(臨床推論/臨床判断)に着目し、多くの学術書を精読しながらアセスメント能力、ならびにアセスメントに基づく看護実践能力の評価表を丁寧に作成した。教育エフォートも大きかったことから、進捗が遅くなった。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は教材を完成させ、シミュレーションによるプログラムの評価を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度はアセスメント能力における評価指標の明確化および評価表の作成で停滞しており、学習教材作成に必要な機器備品、消耗品(図書、印刷、イラスト作成物品)に要する費用を執行できなかった。 2024年度は学習教材作成に必要な機器備品と消耗品を購入する。シミュレーションによるプログラム評価に向けて不足する機器備品の購入や人件費に要する費用を執行する。また学会発表および論文執筆に備えて、学会参加における国内旅費を執行する。
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