研究課題/領域番号 |
20K10755
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
桑村 由美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (90284322)
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研究分担者 |
澄川 真珠子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (20432312)
吉田 守美子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 徳島大学専門研究員 (40510904)
倉橋 清衛 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任講師 (30567342)
湯本 浩通 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60284303)
細木 真紀 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (10228421)
桃田 幸弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (00304543)
上村 浩一 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (50346590)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 看護支援プログラム / 糖尿病看護 / 口腔保健行動 / 効果検証 / 教育教材 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、糖尿病がある人への口腔保健行動を看護師が支援するために、これまでに作成した内容に、口腔状態に応じた内容を追加し、知識のエッセンスをわかりやすく伝える教育教材を開発し、その効果を検証することである。 コロナ禍が続き臨床での調査が難しい状況であったが、Web学会参加や書物等による情報収集、糖尿病医療を専門とする医師や看護師、歯科医師との定期的ミーティングにより、教育教材(案)の実臨床での使用に向けて推敲を重ねた。 まず、前年度からの継続で教育教材(案)についての調査を歯科医師2名に実施した。そして、この2名を含む合計20名の歯科医師からの意見を基に表現の分かりやすさを中心に修正した。また、前年度までの考案(親知らずの炎症、歯周病やう蝕が増悪して抜歯になった場合、抜歯後に義歯や歯科用インプラントなどの補綴物が必要になった場合)に、口渇やピリピリした痛み等の口腔内症状が生じた場合も加え、合計32項目とした。この確認を熟練の歯科医師3名に依頼し、歯磨き実施の重要性と難しさを再認識することができ、追加修正した。また、視覚的にわかりやすくするために、研究協力者の協力により、イラストを加えた版も作成し始めた。 この時点でも、実臨床での検証が難しかったため、糖尿病医療に携わる医師17名・看護師23名に教育教材(案)の確認と評価を依頼した結果、口渇に関する説明が不適切(医師1名)とあった以外は、概ね適切と評価され、表現の修正案が示された。また、教育教材(案)は、実臨床で糖尿病がある人が求めている情報と現場の医師や看護師が伝えようと考えている情報をほぼ網羅していた。併せて、糖尿病がある人から、歯の喪失、口渇、歯科受診時の糖尿病の影響の心配などの困りごとの訴えがあることも明らかになった。現在は、臨床での早期活用を目指し、レイアウトやイラストも含めて、研究者間で最終検証を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍の影響が時間と共に変化しており、状況に併せて研究を進めていく必要があった。糖尿病がある方は特に感染に注意する必要があり、実臨床での調査が難しい状況が続いた。そのため、研究期間を含めた諸条件を見据えて、実臨床での糖尿病がある方を対象とした効果検証から、糖尿病医療に携わっている医師や看護師から間接的に情報を得る方法への変更を決断した。これに伴い、所属施設の倫理審査委員会に申請し、承認を受けて、調査の実施に至るまでに、時間を要した。このようなことから、「やや遅れている」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの3年間で得た知見をもとに、教育教材として公表し、臨床看護師に、糖尿病がある方への教育指導の際に、使用していただく中で、明らかになった問題に対して、必要な改正を重ねていきたいと考えている。 今回、作成を試みている教育教材は、口腔健康管理の中でも、口腔内を清潔に保つことを主眼にした器質的口腔ケアが中心となっているが、今後は口腔の機能に働きかける機能的口腔ケアの要素も追加し、包括的な口腔健康管理が可能となる教育教材へと発展させていく必要があり、継続して取組んでいきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
実臨床の調査の可能性を考えて、歯科衛生材料などの予算を残していたが、難しい状況であったこと、また、本研究で得られた成果をパンフレットとして校正し印刷配布するための予算ならびに英文で公表するために、和文英訳および英文校正の予算,ならびに、学会での成果発表(2023年度日本糖尿病学会年次学術集会は鹿児島県のため、交通費等も含めて)のための予算を残したため、次年度使用額が生じた。次年度に、パンフレットとして校正を行い、印刷配布ならびに、成果を学会発表し、英語論文として公表するために、予算を使用する予定である。
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