研究課題/領域番号 |
20K10757
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
国府 浩子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (70279355)
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研究分担者 |
柊中 智恵子 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (60274726)
樋口 有紀 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (90741637)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 乳がん / ホルモン療法 / がん看護 / 生活マネジメント |
研究実績の概要 |
ホルモン療法を受けている若年性乳がん患者は、食欲増進・体重増加が生じやすい。また、更年期症状が強くあらわれるため倦怠感を含む症状による苦痛が強く、生活に影響を及ぼすため、治療早期からの生活マネジメントが必要である。 今年度は、若年がん患者に関する文献検討とホルモン療法を受けている若年乳がん患者の日常生活行動の支障に関する調査を行った。 文献検討の結果、19件の文献が抽出された。がん患者全般を対象とした文献6件、乳がん患者を対象とした文献8件、女性生殖器系がん患者を対象とした文献4件、精巣がん患者を対象とした文献1件と若年に多く発症する乳がんと女性生殖器系がん患者に関する文献が多かった。論文内容については、文献検討/レビューが6件、看護師の知識や認識に関する文献3件、看護実践/ケアに関する文献4件、患者の体験に関する文献3件、患者の思いや心理に関する文献3件であった。対象文献は、多くが若年がん患者を対象とした患者自身の体験や看護に関するものであるが、セクシャリティに関する研究1件、妊孕性に関する研究2件、治療選択に関する研究1件、他者との関係に関する研究1件、子の存在に関する研究1件、希望に関する研究1件と若年がん患者に特徴的な課題に焦点を当てた研究があった。文献検討の結果、若年がん患者に関する調査研究はまだ少ない状況であることが明らかになった。 日常生活行動の支障感に関する調査は、術後ホルモン療法中の閉経前患者を対象に自記式質問紙調査を実施中である。日常生活行動の支障感では、「新しい友人を作る」「性的行為をする」という【他者との交流】や「自分の健康状態による感情的な影響に対処すること」「自分の健康状態やその改善のための時間的影響に対処する」等の【社会への参加】に関する日常生活行動に支障を感じている傾向が示されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
今年度は、生活上の困難と生活調整の実態、食事や身体活動に関する認識に関する調査を計画していたが、COVID-19感染拡大に伴い、協力施設と検討した結果、調査を中断・延期したため、まだ調査途中である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き日常生活の支障に関する質問紙調査および食事や身体活動に関する面接調査を行い、ホルモン療法を受ける若年性乳がん患者の生活状況の特徴を検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
質問紙調査中のためデータ入力等のアルバイト代の支出がない。また、面接調査を延期しているため、面接調査の旅費、テープ起こしおよびデータ整理のための使用予定だったアルバイト代の支出がない。業者委託費およびアルバイト代の費用に充てる。
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