研究課題/領域番号 |
20K10761
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研究機関 | 福井医療大学 |
研究代表者 |
油野 規代 福井医療大学, 保健医療学部, 准教授 (10827108)
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研究分担者 |
加藤 真由美 金沢大学, 保健学系, 教授 (20293350)
坂本 めぐみ 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (50279577)
鋤柄 増根 公立小松大学, 保健医療学部, 教授 (80148155)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | がん患者 / 転倒 / 多職種 / 化学療法 / 手術療法 / 放射線療法 / 終末期 |
研究実績の概要 |
がん患者の転倒リスクは、加齢による身体的・心理的変化に加えがんの進行や治療(手術療法、化学療法、放射線療法、緩和ケア療法)が大きく影響していると考えられる。がんの罹患年齢は、我が国の高齢化に伴い70.0%が65歳以上であることから、がん患者の転倒において高齢者の転倒として包含されているといえる。このことから、がん患者独自の転倒アセスメントツールが無いのが現状である。しかし、がん患者の転倒は病状の進行や治療の状況を推察すると転倒リスクを予測することができると考える。特に終末期においては、悪液質の影響により筋肉の減少により立位の保持、歩行機能の低下が著しく転倒の発生リスクが高い。さらに、化学療法による抹消神経障害は、足趾のしびれが続くことからがん患者の転倒の要因として報告されている。このようにがん患者においては療養中に常に転倒の状況が見受けられる。そのため本研究では、がん患者の療養中に関わる医師、看護師、薬剤師、放射線技師、療法士23名にインタビューを行い、それそれの職種が関わる場面におけるがん患者の転倒リスクについて語ってもらった。 令和4年度は、医師と看護師が捉えるがん患者の転倒リスクについて、テキストマイニングを用い分析を行った。2職種のがん患者への共通の転倒への捉えは「がん患者は、自分はまだ大丈夫と思って動いて転ぶ」であった。一部の結果を2023EAFONSにおいて発表することができた。現在、がん患者の転倒への捉えを職種ごとにKHcoderを用い分析中である。職種によるがん患者の転倒への捉えを明らかにし、療養経過に応じたがん患者への転倒アセスメントツールの開発に着手したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テキストマイニング(KHcoder)の分析方法に不慣れなことから、同じ操作を行っても結果が異なった。一貫性のある結果が出るまで繰り返し分析を行ったことから時間を要している。また、その分析結果の解釈に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
5職種の医療職におけるがん患者の転倒への捉えを明らかにし、療養経過に応じた転倒アセスメントツール内容を抽出し、尺度開発につなげていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
私事の都合により、研究機関を移動したため研究進行に遅れが生じた。データ分析に遅れが生じ本年度目標とした、がん患者の転倒アセスメントツールの開発までに至らなかった。 全国調査のための質問紙の印刷および郵送代。
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