研究課題/領域番号 |
20K10763
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
武用 百子 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00290487)
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研究分担者 |
山岡 由実 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (00326307)
明神 哲也 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00521428)
有光 興記 関西学院大学, 文学部, 教授 (10341182)
池田 敬子 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 准教授 (60331807) [辞退]
川崎 絵里香 京都先端科学大学, 健康医療学部, 助教 (40580543)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | PICS-F / PICS / ポジティブ心理学的 / セルフコンパッション / マインドフルネス |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ICU入室患者家族の精神的諸問題に対し、ポジティブ心理学的な介入としてのセルフ・コンパッションへの介入の効果を検討するものである。比較的新しく複雑な症候群であるPICS(集中治療後症候群)は世界的な健康問題の高まりであり、現在までのところ、明確な定義や診断基準がまだない状態である。薬物療法の変更と早期動員を伴うABCDEFバンドルのような統合的な予防計画を実施することで、PICSの長期合併症を軽減することができる。構造化されたフォローアッププログラムは、病院でのケアに限定されるものではなく、むしろプライマリケアのフォローアッププランと組み合わせて、専門家間のアプローチを行うべきである。また重症のSARS-Cov-2感染から生還した患者およびその親族は、PICSが包含するすべての領域の症状を伴うPICSを発症するリスクが高い。そのため、テクノロジーベースのプラットフォーム(例:電話、デジタルタブレット)、介入計画に組み込まれた情報とサポートの提供は、この患者集団とその親族に長期的な利益をもたらし、医療界で急速に発展しているデジタル開発に沿ったものであることが先行研究においても示されている。 本研究で用いるポジティブ心理学介入については2021年度に決定し、プログラムを自宅等で取り組むことができるようにアプリを作成した。業者作成の遅れが生じようやく2023年3月にほぼ完成した。またポジティブ心理学的な介入の効果について、質問紙のみの評価ではなく生体反応の変化を捉えるために、当初の予定ではNEC社の感情分析ソリューションの使用を検討していた。しかしながらコスト的な側面より断念し、他社の生体反応を取得する導入を検討した。 2022年度はアプリの完成の遅れにより研究実施に至らなかったため1年延長し、2023年度に介入研究を実施する予定とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
アプリ完成が大幅に遅れたことが原因である。当初の予定では、2022年8月目途に完成予定であったが、完成が2023年3月となったためである。
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今後の研究の推進方策 |
2024年3月までを科研費の期間とした。アプリが完成したため、協力施設を複数得て2023年8-9月にデータ収集を行う。10月-11月に分析を行い2024年1-3月に行われる学会に発表予定とする。同時に論文を同時進行で記載し、英文校正までを2024年3月までの予定とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリ完成が大幅に遅れたため1年の延長とした。 2023年度の使用計画については、物品費として生体反応データ収集機器、筆記用具で60万円を計上する。旅費として3施設(関東・関西)往復2回、学会発表に伴う旅費(関西‐北海道)として30万を計上する。謝金については3施設各30名ずつの謝金として50万を計上する。その他、アプリを用いたデータを保存するためのクラウドレンタル料として25万を計上する。
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