研究課題/領域番号 |
20K10767
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
久保 五月 北里大学, 看護学部, 教授 (60348597)
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研究分担者 |
清水 奈緒美 地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立がんセンター(臨床研究所), その他部局等, その他 (00627672)
近藤 まゆみ 北里大学, 大学病院, その他 (10627459)
松原 康美 北里大学, 看護学部, 准教授 (10779010)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | がん体験者 / がん患者 / ヘルスリテラシー / 情報リテラシー / 情報ニーズ / 情報探索行動 / 看護師 / 情報支援 |
研究実績の概要 |
本研究では、がん体験者のヘルスリテラシーを高めるアプローチとして、がん体験者にと って最も身近な医療者である「看護師の支援力を育成するプログラム」の開発を目指す。研究は、①看護師による情報支援の実態把握、②プログラムの作成・実施、③プログラム評価の3段階で行い、5年の研究期間で、情報支援者として看護師に求められる力と、その力を育成する方法の2点を明らかにする。 2020年度は研究の第一段階と位置づけ、看護師による情報支援の実態調査の内容を検討するために国内外の文献レビューを実施した。情報ニーズ(information needs)or情報探索行動(information seeking behavior)or情報リテラシー(information literacy)and看護師(nurses’)のキーワーズで検索した結果、国内では看護学生を対象にしたeヘルスリテラシーや看護情報学の教育プログラム開発に関する研究が行なわれている反面、看護師を対象とした研究はわずかであった。一方、海外文献で看護師を対象にしたものは46件で、さらに、がん看護師に限定した文献は6件であった。これらの文献から、①看護師の情報リテラシーのレベル、情報支援への関心が情報支援の質に影響を及ぼす、②情報提供者としての役割は、特に治療開始後に重要である、③症状管理等に関して看護師からの情報提供が好まれる、④専門看護師は患者からの評価が高いことが示され、正確でタイムリーな情報を提供するためには、看護師自身の情報リテラシーを高める継続教育の必要性が確かめられた。 さらに、文献レビューの結果をもとに本研究の調査内容を検討し、e Health Literacy Scale(eHEALS)日本語版を組み込んだ質問紙票を作成した。既に倫理審査委員会の承認を得ており、5月中に調査を行なう予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は、研究の第一段階として看護師による情報支援の実態調査を実施する予定であった。計画にそって質問紙を作成し、倫理審査委員会の承認を得ることはできた。しかし、COVID-19感染拡大に伴う医療現場の逼迫した状況を鑑み、医療機関ならびに研究対象の看護師への負担、質問紙の回収率低下を避けるために、調査時期を当初の予定よりも遅らせることにした。
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今後の研究の推進方策 |
2021~2023年度は、研究の第2段階と位置づけ「看護師の支援力育成プログラム」を作成し、実践する。2021年度は「プログラム」の内容を検討するために、①看護師による情報支援の実態調査、②情報支援に関するフォーカス・グループインタビューを行い、看護師と協働してプログラムを試案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由:2020年度実施予定の質問紙調査を見合わせたことにより、調査の経費として計上していた郵送料や人件費等を使用する必要がなかったため。 使用計画:2021年度に質問紙調査を実施するため、当初の経費を計上する予定である。
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