研究課題/領域番号 |
20K10777
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
石橋 曜子 国際医療福祉大学, 福岡看護学部, 講師 (70469386)
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研究分担者 |
岩永 和代 福岡大学, 医学部, 准教授 (40461537)
小竹 久実子 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (90320639)
浦 綾子 福岡大学, 医学部, 准教授 (00526519)
宮林 郁子 清泉女学院大学, 看護学部, 教授 (40294334)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 喉頭摘出者 / 生活支援 / 家族 / 外来看護 |
研究実績の概要 |
本研究は、喉頭摘出者の家族が術後に新たな生活を構築しなければならない患者とともにQOLの回復を促進することを目指した外来における生活支援プログラムを開発することである。そのために、家族が退院1年間に抱えている問題と対処行動を明らかにすること、外来看護師による生活支援内容を明らかにする調査研究を行い、回復プロセスに合わせた生活支援を効果的に実践できるようにする。 今までの研究結果と文献検討では、喉頭摘出者は、手術により生命の危機、生活・社会的危機、心理的危機を抱えている。そして、その危機は、実際に退院して初めて具体的な問題が立ちはだかり、苦悩することが明らかとなっている。退院後、喉頭摘出者は、訪問介護などの社会的支援を活用することは少なく、医療者からの助言やサポートを受ける機会がなくなる。しかし、手術による機能障害は多岐にわたるため、家族とともに自分自身で努力をするしかない状況がある。現在、今までの研究で明らかになった患者自身の苦悩から家族の苦悩や困難、対処行動を推測してインタビューガイドを作成している。また、外来における看護実践の患者の生活支援では、身体的・心理的支援の必要性から介入を試みているが、1日の患者数が多く、患者のニーズを満たせていないことや時間をかけて介入する環境がないことが明らかとなっている。しかし、喉頭摘出者に限定した外来看護実践の研究がないことから、喉頭摘出者の術後の特性を踏まえた外来看護実践の調査を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、喉頭摘出術後患者の家族を対象にしたインタビューガイドを作成し面接調査を開始する予定であった。また、喉頭摘出者患者の家族を対象とした看護を行う外来看護師を対象に質問紙を作成することを計画していた。しかし、COVID-19による病院内調査を実施すること、臨床での調査を進めるための交渉が難しい状況となった。そこで、喉頭摘出術後患者の研究を行ってきた結果を再度振り返り、患者自身が生活上困難ととらえている状況を国内外の文献と照らし合わせて整理している。また、家族が患者をサポートするうえで困難となるであろう問題を推察して検討を重ねてインタビューガイドの作成を試みているが時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
初めに、外来看護師を対象とした質問紙を完成させる。調査計画は、喉頭摘出術を実施している病院をピックアップし、COVID-19の感染拡大状況を確認しながら、研究協力依頼を行う。次に、喉頭摘出者の家族を対象としたインタビュガイドを完成させる。対象者を20名と設定しているが、今年度も病院への調査が難しい場合は、患者会と交渉して家族のインタビューを計画する。臨床との研究開始に関する交渉は、いまだ予測できるものではないが、いつでも開始できように倫理申請書類を作成し、倫理審査の準備を整えておく。各対象者のデータを集めながらデータ整理を行っていく。 最近、喉頭摘出術や喉頭がん患者の化学療法や放射線療法を受ける患者のQOLに関連した研究発表があるため、常に最新の研究報告も確認していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の打ち合わせのための旅費を計上していたが、対面での打ち合わせを見合わせた。また、インタビュー調査を開始することができていないため人件費を活用しなった。次年度は、インタビュー調査および外来看護師を対象とした質問紙調査を進めていくため、調査表の印刷やデータ管理、分析のために使用する。
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