研究課題/領域番号 |
20K10786
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大山 祐介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (40789567)
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研究分担者 |
永田 明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (30401764)
山勢 博彰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90279357)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | クリティカルケア看護 / 重症患者 / comfort / 苦痛 |
研究実績の概要 |
第1段階目の研究は、重症患者のコンフォートを明らかにするために開発したクリティカルケアにおけるコンフォート項目(CICC)の構成概念妥当性を検証することを目的とした。2020年2月から3月にかけてオンラインアンケートでデータを収集し、確認的因子分析を行った。参加者は、日本国内の急性重症患者看護専門看護師、集中ケア認定看護師、救急看護認定看護師、120名であった。CICCは34項目からなり、コンフォートの6つのカテゴリーを測定するよう設計された。「症状の緩和」「自立」「平静」「満足」「生理的反応の安定」「落ち着いた行動・睡眠」の6項目を測定し、参加者は各項目の適切性を4段階のリッカート尺度で評価した。その結果、CICCの各項目の得点は、平均3.10点から3.93点の範囲であった。I-T相関係数はρ=0.300から0.636の範囲であった。確認的因子分析の結果、「患者の主観に基づき測定されるコンフォート」と「看護師の観察で測定されるコンフォート」の2因子構造が支持された。そのモデルの適合度は基準値を満たしていた。本研究は、クリティカルケア看護におけるコンフォートの構成概念妥当性を看護師の認識に基づいて確認した。「平静」「満足」「落ち着いた行動・睡眠」が重視された。CICCの各項目は、重症患者にコンフォートケアを提供する際にアセスメントの視点となる。 本研究成果は日本クリティカルケア看護学会誌に掲載された。 2段階目の研究として、重症患者の集中治療室での体験にもとづく苦痛やコンフォートの様相を明らかにするための研究に取り組んでいる。参加観察およびインタビュー調査によるデータ収集を開始するための研究計画書を作成し、倫理審査の承認を得たため、これからデータ収集を開始する。本研究成果は第19回日本クリティカルケア看護学会で発表後、英文誌へ投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍により、病院外からICUに入室することが制限されたため、データ収集をすすめることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
4月に倫理審査の承認を得たため、データ収集を開始する。約30人からデータを収集する予定である。その後、データ分析、結果をまとめていく。病棟の看護師、集中治療室の看護師等に協力を得て、患者の選定を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会がオンラインとなり、旅費が不要であったことや研究がおくれたことにより、論文投稿にかかる費用を使用していないため。 今後の学会参加費、旅費、論文投稿費用に充てる予定。また、分析ソフトのアップデート費用に充てる予定。
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