研究課題/領域番号 |
20K10786
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大山 祐介 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (40789567)
|
研究分担者 |
永田 明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (30401764)
山勢 博彰 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (90279357)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | コンフォート / 重症患者 / クリティカルケア |
研究実績の概要 |
ICUに入院した重症患者を対象に参加観察と半構造化インタビュー調査を行った。主に循環器疾患患者が対象となり、15人の患者からデータ収集を行った。研究者がICUを訪問した際の患者の状況に応じて、検温・処置等の場面を参加観察し、フィールドノーツを作成した。 インタビューはICU入室中と退室後に行った。インタビューの内容は、①ICUの印象、②苦痛や不快に感じたこと、③苦痛や不快が和らいだこと等で、同意を得てICレコーダーに録音した。 テーマ分析を行い、フィールドノーツやインタビューデータの逐語録を精読後、研究目的の内容を示す文節を取り出しコードとした。コードを類似するパターンや共通性・差異性を考慮して分類した。分類したコードの意味内容にもとづき、患者のdiscomfortやcomfortのありようを踏まえてテーマを付けた。 その結果、以下の5つのテーマにまとめられた。[不確かさの重なりと現状の確認による落ち着き]、[遠慮や我慢と気づかいへの安心]、[痛みや喉の渇きと介入による緩和]、[身体的なコントロールの喪失と身を委ねることで得られる楽さ]、[どうしようもない状況や環境的なdiscomfortに対する割り切り]であった。 本研究の内容は、2023年7月1日に開催の第19回日本クリティカルケア看護学会学術集会で発表する予定である。その後、英文誌に投稿し、年度末までの論文掲載を目指す。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ過において、研究者が臨床現場に入ることができない状況であった。そのため、データ収集ができなかった。そのことが、その後の研究の進捗に影響している。
|
今後の研究の推進方策 |
当初は30人からインタビューすることを計画していたが、一人の研究対象者に複数回のインタビューが可能であった。そのため、15人でも十分なデータが得られ、データの飽和に至っていると考えられたため、それ以上のデータ収集は行わないこととした。 本研究の対象者が重症患者であるため、ICUに入院後の同意取得が困難であった。このことで同意取得が可能な予定心臓手術を受けた患者が、対象者の中心となった。 今後は8月までに分析を終え、9月に論文投稿を行う予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍によりデータ収集が遅れたため次年度使用が生じ、研究の進捗にも影響した。 次年度は英文投稿する予定であるため、英文校正費や投稿手数料が必要となる。また、学会発表時の学会参加費、旅費に使用する予定である。
|