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2021 年度 実施状況報告書

糖尿病患者のスキーマ変容を目指した自己管理促進プログラムの開発-離島での効果検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K10787
研究機関鹿児島大学

研究代表者

西尾 育子  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80402163)

研究分担者 根路銘 安仁  鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (00457657)
中條 雅美  鳥取大学, 医学部, 教授 (20382426)
谷口 晋一  鳥取大学, 医学部, 教授 (30304207)
仲道 雅輝  愛媛大学, 教育・学生支援機構, 准教授 (90625279)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード2型糖尿病 / スキーマ / 離島 / プログラム
研究実績の概要

2019年度の2型糖尿病患者のスキーマに関する研究では否定的な心理構造にはスキーマ(Beck.A.T,1960,Schema: 自身の体験に基づく認知)の形成が要因となっていることを明らかにした。さらに、現在の申請者の糖尿病患者のスキーマの調査研究において、依存、倫理的非難、問題回避、無力感といった4つのパターンのスキーマが存在し、自己管理行動を妨げる要因ということを導き出した。前年度の研究の知見より、スキーマが形成すると予測されるプライマリ・ケア(初期診療)において看護の充実、実践レベルが向上できるプログラムがあれば、糖尿病患者のスキーマが改善し自己管理が促進できるこことに着目した。2020年では2型糖尿病患者に存在するスキーマをアセスメントできるための「アセスメントシート」の作成を行った。2021年は作成したスキーマアセスメントシートから、糖尿病患者のスキーマ別(依存、倫理的非難、問題回避、無力感)の自己管理促進プログラムの原案を作成した。インストラクショナルデザインの内的・外的動機づけや ARCS モデル、ADDIE モデル「分析→設計→開発→実施→評価」のサイクルとする教育設計を取り入れた。プログラム原案は完成版に向けて予備調査を行った。なお予備調査の実施は、コロナ禍であったため、電子お薬手帳サービス「harmo」に登録している2型糖尿病患者を調査対象とするため、harmo株式会社に業務委託で行った。予備調査では、2021年5月~6月において2型糖尿病患者50名に実施した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は作成した自己管理促進プログラムの予備調査の実施までであったため、計画通り実施することができた。なお予備調査の実施は、コロナ禍であったため、harmo株式会社に業務委託で行った。

今後の研究の推進方策

自己管理促進プログラムは、鹿児島県の離島(奄美大島、三島・十島、与論、沖永良部、喜界)の離島診療所において効果検証を実施する予定である。対象者は介入群 25 名、対照群 25 名とする。対象者の選定は診療所の院長より患者を紹介してもらい、研究に同意が得られた者とする。介入群には、プログラムを実施、対象群には従来の自己管
理行動とする。検証方法は、開始 2 週間後、4 週間後、8 週間後の計 3 回実施する。評価方法はプログラム前・中・後の血糖値、HbA1c、体重、BMI、②Breslow の 7 つの生活習慣を参考に 5 段階尺度で作成した食事・運動・薬物療法の状況、③QOL の測定に QOL-SF36尺度を用いる。③を評価し問題点・課題を明らかにする。最終検証は、介入群と対象群を入
れ替えて実施する。検証結果をまとめ、自己管理促進プログラムを完成する。

次年度使用額が生じた理由

本課題研究を遂行する過程で、①当初の研究枠組みや仮説を反証する新たな事実関係の発
見として、2型糖尿病患者は精神的ストレスが高く、うつ病の発症リスクが2倍という報告があり、日本でも糖尿病患者は、糖尿病でない人に比べて、うつ病の発症が2倍程度多いと報告がある(日本糖尿病情報センター)。近年、うつを合併し治療を行う患者が増加傾向にあり、研究対象者として除外しなければならなくなった。
②2019年12月により世界的に流行になった新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の拡大により、外出・外食禁止、複数の交流など自粛により、2型糖尿病患者の治療法である、食事療法、運動療法に大きな影響をもたらした。また、プログラム作成後、鹿児島県の離島(奄美大島、三島・十島、与論、沖永良部、喜界島)の離島診療所において効果検証(第一次検証、最終検証)を実施する予定であった。予定していた第一次検証は、対象者は介入群25名、対照群25名であったが、患者および研究者の安全を確保するために中止とした。対象者の選定は診療所の院長より患者を紹介してもらい、研究に同意が得られた者とする。電子お薬手帳サービス「harmo」株式会社に業務委託したこと、時間的制約から対象者が 100 名に満たず50名となってしまったことが理由である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] 終末期がん患者が在宅療養を継続するうえで家族が支える要因.日本がん看 護学会誌2021

    • 著者名/発表者名
      西尾育子
    • 雑誌名

      日本がん看 護学会誌

      巻: 35 ページ: 121-131

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The study of schema in patients with type 1 diabetes,2021

    • 著者名/発表者名
      Ikuko Nishio
    • 学会等名
      14th World Congress on Nursing and Patient Healthcare
    • 国際学会
  • [学会発表] Therapeutic Behaviors Adopted by a Pregnant Woman with Type 1 Diabetes to Maintain Good Blood Glucose Control2021

    • 著者名/発表者名
      Ikuko Nishio
    • 学会等名
      24th East Asian Forum of Nursing Scholars
    • 国際学会
  • [学会発表] Family support factors in continuing home care for terminal cancer patients2021

    • 著者名/発表者名
      Ikuko Nishio
    • 学会等名
      24th East Asian Forum of Nursing Scholars
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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