研究課題/領域番号 |
20K10788
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研究機関 | 横浜創英大学 |
研究代表者 |
横山 恵子 横浜創英大学, 看護学部, 教授 (80320670)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 精神障害 / 精神障害者家族 / 子ども / ピアサポート |
研究実績の概要 |
精神医療の進歩により、精神障害があっても親になることが当たり前の時代になりつつあるが、その子どもの実態は社会に知られておらず、支援もされていない現状がある。そのような中、成人しても生きづらさを抱える、大人になった子どもの家族会「精神疾患の親をもつ子どもの会(以下、こどもぴあ)」が設立され、活動拠点の拡大を図ってきた。 本研究は、2018年に設立された、こどもぴあで活動している、成人した子どもたちのリカバリーの経験から、子ども自身の困難の受けとめや対処、子ども自身が望んでいる支援を明らかにし、未成年の子どもたちへの効果的な関わりや支援を検討する。さらに、その成果を「こどもぴあ」メンバーの経験を活かしたピアサポートとして、配偶者会との連携による学童期以降の子ども支援、小中学校の教員を対象とした教材作りを行い、義務教育の時期にある子どもへの直接的支援を実施することを目的とする。 この研究で得られる知見は、精神保健医療福祉や教育に関わる支援者の子どもへの理解を促進し、精神障害者家族支援や子育て支援のエビデンスになる。また、子どもたちの世代を超えたピアサポートは、未成年及び成人した子ども自身の支援となり、精神障害者本人にとっても、安心して子育てできる環境作りに繋がると考える。 今年度は学校教員の理解を図る目的で、こどもぴあの協力を得て、啓発のための動画教材作りを行った。また、大阪市内や埼玉県内の小学校教員を対象に、教材の効果評価を行った。国がヤングケラーの調査や、対策に向けた推進を図っていることから、こどもぴあメンバーへの関心が高まり、メンバーが取材への協力、研修会で体験をかたる機会も増えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の中、、対面での活動が困難となっているため、こどももぴあの会議、家族学習会、集い等は、全てリモートで行っている。連携する配偶者会も未成年の子どもを対象とした、グループの開催は対面開催ができなくなり、開催が停滞している。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍の中、Zoomを使ったリモートで会議、家族学習会、集いを開催している。参加者の地域は限定されず、多くのメンバーが参加できるメリットも生じている。また、北海道や沖縄など、地域間の連携も活発となっている。家族学習会を契機に,参加者から、来年度は、岡山にこどもぴあを造りたいとの希望があり、具体的な支援を計画している。 さらに、未成年の子どもグループの開催を、配偶者会ではなく、こどもぴあの集いの中に位置づけて開催する方向で検討している。 学校の教材作りついては、効果評価のための調査がほぼ終了し、分析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため、対面での調査や活動ができず、謝金や交通費の支出が十分できなかった。また、予定していた海外の視察もできなかったので、次年度に計画したい。
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