研究課題/領域番号 |
20K10789
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
土井 英子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (10457880)
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研究分担者 |
野村 美香 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (80276659)
小林 珠実 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (50382263)
大場 美穂 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20451768)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 頭頸部がん患者 / 口腔粘膜炎 / サーモグラフィー / セルフマネジメント |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、炎症所見に着目して化学放射線治療に伴う口腔粘膜炎の程度を可視化し、頭頸部がん患者が口腔粘膜炎の重症化を予防するためのセルフマネジメント支援を開発することである。COVID-19感染拡大を受けて、口腔内のサーモグラフィー撮影の条件および安全な調査環境の整備のために計画の一部を変更した。 2022年度は、研究代表者が所属する施設の研究倫理審査委員会の承認を得て、健康な成人16名(20代、女性)に対して、口腔内トラブルに関する自記式質問紙調査とEilers口腔アセスメントガイド(以下OAG)による口腔内評価、常温水含嗽後30分間の口腔粘膜の状態をサーモグラフィーで撮影した。その結果、OAGで正常と判断した場合でも、約2割の者が口腔内乾燥を報告した。口腔内乾燥を報告した対象は、口腔粘膜の温度が高い傾向にあった。しかし、口腔粘膜や歯肉部の炎症を認めた対象の画像では、局所の温度変化を同定できなかった。撮影条件に関して、3横指以上の開口が可能であるものとしたが、加えて開口を1分以上維持できることが求められた。頭頸部がん患者は、口腔内乾燥の有症率が高いことから撮影範囲を限定するなどの工夫が必要であることが分かった。今回、20代の健康な成人を対象としたが、自記式質問紙による口腔内評価で口腔内トラブルを自覚しているものが想定よりも多かった。今回の対象者は、頭頸部がん患者の好発年齢とは異なることから、異なる年代や義歯使用者の口腔内の評価ツールとして可視化デバイスの活用範囲を検討する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の鎮静化に伴い、健康な人を対象とした口腔内の評価指標の検討のための調査に着手できているものの、前年度までの遅れを取り戻すには至っていない。
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今後の研究の推進方策 |
予定していた医療機関への研究者の訪問の制限が緩和される見通しであるが、頭頸部がん患者を対象とした研究の遂行が可能か不透明である。そのため、頭頸部がん患者の好発年齢と同じ年代の健康な人を対象とするなど計画の一部を変更し研究を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用が生じた理由は、調査対象者の確保に時間を要したこと、予定施設での調査ができなかったため、調査に関わる費用が執行できなかったためである。次年度、今年度予定していた調査を行い、執行する予定である。
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