研究課題/領域番号 |
20K10789
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研究機関 | 神奈川県立保健福祉大学 |
研究代表者 |
土井 英子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (10457880)
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研究分担者 |
野村 美香 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (80276659)
小林 珠実 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (50382263)
大場 美穂 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 准教授 (20451768)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 頭頸部がん患者 / 口腔粘膜炎 / セルフマネジメント / サーモグラフィー |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、炎症所見に着目して化学放射線治療に伴う口腔粘膜炎の程度を可視化し、頭頸部がん患者が口腔粘膜炎の重症化を予防するためのセルフマネジメント支援を開発することである。2023年度は、サーモグラフィー画像の撮影に関する課題が残ったため、前年度に実施した調査のサーモグラフィー画像の再分析を行うことに計画を変更した。健康な成人16名より得られた口腔粘膜のサーモグラフィー画像と口腔内評価を比較した。含嗽直後の頬粘膜温の平均は左34.3±1.13、右34.2±1.19、含嗽10分後は左37.9±0.56、右37.6±0.49、含嗽30分後は左38.4±0.85、右38.3±0.75であった。口腔内乾燥の訴えの有無による頬粘膜温に統計学的有意差は見られなかった。含嗽後の時間経過に伴い粘膜温が上昇していることから、サーモグラフィーにより頬粘膜温の変化を捉えることが可能であるものの、口腔内アセスメント指標に活用できる可能性はあると考えた。今回、口腔内のサーモグラフィーの撮影は、化学放射線療法を受ける頭頸部がん患者の口腔粘膜炎の好発部位である口腔正面と左右の頬粘膜の3方向とした。画像評価の比較のため、口腔内正面の目印は口蓋垂とし、頬粘膜の中央を画像の中心と定め第2.3臼歯を含むよう撮影した。しかし、口腔粘膜とレンズとの距離や角度にばらつきがみられ、経時的な比較を行うには画像の撮影範囲や条件をより限定するなどの精度を高める必要があった。今回、口腔粘膜の可視化の課題の解決に至らなかった。そのため、引き続き口腔粘膜の可視化に向けて撮影要件・範囲を特定していく必要がある。
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