研究課題/領域番号 |
20K10790
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研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
越智 百枝 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 教授 (40270053)
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研究分担者 |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
中平 洋子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 准教授 (70270056)
坂元 勇太 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (30761241)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | アルコール依存症 / 家族 / エンパワメントプログラム / 評価 |
研究実績の概要 |
今年度は、コロナ禍でプログラムの実施が難しかったため、プログラムの評価指標の抽出のための文献検討や2016-2019年度に科研費の補助を受け行った研究成果の論文投稿を行った。 文献検討研究:研究目的は国外のアルコール依存症者(一部薬物・ギャンブル依存症者を含む)の家族への介入の評価に関する研究で、用いられている評価指標及びその測定尺度を明らかにし、本プログラムの評価指標の基礎資料とする。 Medline、Cinahl、Web of Scienceで、Alcolism、Alcolic、Family Therapyをキーワードに検索し425件を得た。抄録を確認し、介入内容、評価指標及びその測定尺度及び結果が詳細に書かれている文献11件を抽出した。さらに家族介入に関する文献レビューを行っている総説の引用文献から抽出した3件を加え、14件を分析対象とした。 分析は1文献につき、研究テーマ、著者、研究目的、研究デザイン、研究対象、介入及び介入の質の担保の記述、介入後の経過観察、評価指標、測定尺度及び測定尺度の信頼性・妥当性の記述、結果、出展を枠組みとしてワークシート(表1)にまとめた。また、文献ごとの評価指標及びその測定尺度について一覧表(表2)を作成し分析した。 その結果、依存症者の依存の状態、家族の依存症の状態、依存症の家族への影響、家族の依存症者への対処行動、家族の社会適応、治療導入への意欲、家族の心身の健康状態、家族関係、自尊心、人生の目的や満足度に関するものが見られ、依存症者の依存の状態、家族の心身の健康状態、家族関係を評価するものが多かった。加えて本プログラムの目標やこれまでのプログラム評価における家族の変化から、評価指標として、家族の依存症者への対処行動、家族の心身の健康状態、家族関係、家族の前向きさや希望を採用することとした。今後は測定尺度の検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
プログラムの実施ができなかったため、データ収集はできなかったが、次年度計画していた文献検討による評価指標の抽出については達成できたので、おおむね順調に進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
コロナの感染状況を見ながら、研究協力機関の協力を得て、プログラムを実施し評価を行う。また、オンラインでのプログラム実施や、評価指標抽出のためのプログラム参加者への面接調査が可能かどうか、個人情報保護の観点など実現可能性について検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は文献検討及び研究成果の論文投稿を行ったため、研究費の支出を行う必要がなかった。次年度以降にプログラムの実施やインタビュー調査を行う予定でそれらの研究の推進に支出する予定である。
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