研究課題
本研究の目的は、① 睡眠薬を使用中の人向けに、生活改善の具体策、長期に睡眠薬を使用する利点・欠点、心理社会療法の利点・欠点を示した shared decision making (共同意思決定, SDM)の補助ツールであるデシジョンエイドを開発し、② 睡眠薬を使用中の人と医療者が、そのツールを使いながら、一緒に今後の治療を決める SDMの手法の効果(社会問題となっている長期・高容量の睡眠薬の使用を改善させうるか)を外来診療において、検証することである。初年度の2020年度は、デシジョンエイドの試案を作成し、その使用感調査を実施した。使用感調査では、不眠症の診断にて睡眠薬治療の経験のある当事者および医療従事者を対象に、試案を読んでもらい、読みやすさや内容の理解しやすさに関する質問紙への回答を求めた。結果は、当事者および医療者ともに、概ね良好な評価が得られた。自由記載欄へのコメント内容をもとに試案の修正をはかった。このプロセスを通じ、ステークホルダーの声を反映させたツールを開発することができた。
2: おおむね順調に進展している
本研究では① 睡眠薬を使用中の人向けに、生活改善の具体策、長期に睡眠薬を使用する利点・欠点、心理社会療法の利点・欠点を示した shared decision making (共同意思決定, SDM)の補助ツールであるデシジョンエイドを開発し、② 睡眠薬を使用中の人と医療者が、そのツールを使いながら、一緒に今後の治療を決める SDMの手法の効果(社会問題となっている長期・高容量の睡眠薬の使用を改善させうるか)を外来診療において、検証することを目的に、取り組んでいる。初年度の2020年度では、デシジョンエイドの試案を作成し、当事者および医療者を対象に、そのツールに関する使用感調査を実施した。さらにその調査結果をもとに、試案の修正をはかった。現在までに、ステークホルダーの声を反映させたツールを開発することができた。COVIDの影響でリクルートに難渋したが、おおむね順調に進んでいると言える。
計画に則り、以下の通り、研究を遂行していく予定である。2年目の2021年度は、当該年度に作成したツール・デシジョンエイドをを外来診療に導入し、睡眠薬を使用中の人と医療者が、治療の選択肢を共有し、一緒に治療を決める shared decision making (共同意思決定, SDM)の有用性の検討をはかる(実行可能性探索のための調査を実施する)。具体的には、選択した治療の内容、患者満足度、共同意思決定の実施の程度および、12・24 週後の減薬率、治療の継続率、不眠の程度を測定し、この手法の実行可能性を評価していく予定である。
COVID-19の影響でリクルートが難航した。初年度の2020年度中に計画していた調査で実施できなかったものは、2年目の2021年度に実施することとした。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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