研究課題/領域番号 |
20K10802
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
橋本 容子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (90789695)
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研究分担者 |
長谷川 智子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60303369)
小笠原 知枝 兵庫大学, 看護学研究科, 教授 (90152363)
磯見 智恵 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (40334841)
四谷 淳子 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (10507370)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アドバンス・ケア・プランニング / 意思決定支援 / エンドオブライフケア / 終末期 / 看護師教育 / 計画的行動理論 |
研究実績の概要 |
本研究では対象者のエンドオブライフの質向上のための効果的なAdvance Care Planning:ACP実施に向け、ACPを支援する看護師の内発的動機付けを高めるACP支援教育プログラムを開発することを目的としている。計画的行動理論(Ajzen,1991)を基盤として、質問紙調査で看護師のACP支援行動意図に影響する要因を明らかにし、その構造因子を質的に分析した上で、看護師の内発的動機づけを高めるACP支援教育プログラム作成とその効果の検証を目指している。本研究により看護師が自律性と主体性を持ったACP支援が可能になり、効果的なACP支援が期待できる。効果的なACP支援によって、残された時間をその人らしく過ごすことが可能になり、エンドオブライフの質向上が期待できると考える。今年度は200床未満の一般病院の看護師1500名、介護保険施設に勤務する看護師500名を対象に質問紙調査を実施した。結果、200床未満の一般病院・介護保険施設でのACPの取り組みは20%未満であり、約75%がACPを正しく理解できていなかった。ACP支援行動に影響する要因として、病院・施設共に周りからの期待である主観的規範(β=0.985、p<0.01/β=0.979、p<0.01)、組織での取り組(β=0.024、p<0.01/β=0.030、p<0.01)が有意な関連性を認めた。加えて、病院看護師においてACP研修参加(β=0.029、p<0.01)が促進要因として、知識(β=-0.023、p<0.01)が障壁要因として有意な関連を示した。以上より病院・介護保険施設の看護師のACP支援行動には周囲からの期待と組織の取り組みが影響していることが明らかとなった。また、糖尿病・心不全看護に携わる看護師685名、透析看護に携わる看護師705名にACP支援行動の実際とACP支援行動意図の影響要因を明らかにする目的で調査を実施した。回収率は約25%であり、今後分析進ていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度は看護師のACP支援教育プログラム構築に向け、200床以下の病院と介護保険施設に勤務する、看護師のACP支援の実際および、ACP支援行動に影響する要因を明らかにした。加えて、糖尿病・心不全・透析看護に携わる看護師のACP支援行動の実際とACP支援行動意図の影響要因を明らかにする目的で調査を実施した。回収率は約25%であり、今後分析を進めていく。訪問看護師への調査が未実施となっており、PhaseⅠで予定していた、看護師のACP支援行動意図への影響要因の構造因子の抽出を目的とした、質的研究に至らなかったため、やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後は訪問看護師に対しても同様の調査を行った上で、PhaseⅠで予定している、看護師のACP支援行動意図の影響要因構造因子を、質的調査にて明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度は新型コロナ感染の影響が大きく、情報収集のために計上した予算の剰余である。次年度は、学会発表も県としており、合わせて研究推敲のための人件費等に充てる予定である。
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