研究実績の概要 |
本研究はアドバンスケアプランニング:ACPの推進に向けた、看護師のACP支援教育プログラムの構築を目的としている。教育プログラム構築に向け、慢性心不全患者や透析患者をケアする看護師、および、300床未満の中小病院、介護保険施設の看護師を対象にACP支援の実際とACP支援行動の影響要因の明確化を行った。影響要因の明確化には、Ajzen(1991)の計画的理論に基づき作成した調査票を用いて検証を行い、「ACP支援行動」を従属変数とし、各影響要因を独立変数とした重回帰分析を行った。 まず、慢性心不全患者をケアする看護師822名を対象に実施した結果、「ACP 支援行動」には、「促進要因(介入スキルの知識)」(β=.31, p<.01)、「主観的規範」(β=.258, p<.01)が影響しており、「ACP の抑制要因(障壁)」(β=-.18, p<.05)が負に影響していた。次に、透析患者をケアする705名の看護師のACP支援行動には「態度」(β=.25, p<.01)が有意な影響を示した(β=.311, p<.01)。中小規模病院の2000名の看護師を対象とした分析結果では、ACP支援行動には、主観的規範(β=.92, p<.01)、組織の取り組み(β=.02, p<.01)が有意な関連を示し(調整済R2=.98)、介護保険施設の500名を対象とした分析結果、主観的規範とACP 支援行動(r=.990,p<.01)に強い有意な相関があり、、ACP研修参加と主観的規範(r=.33,p<.01)、ACP支援行動(r=.36,p<.01)、スキルの自信と組織の取り組み(r=.41,p<.01)に有意な相関があった。重回帰分析の結果、介護保険施設の看護師のACP支援行動には、主観的規範(β=.93, p<.01)、組織の取り組み(β=.03, p<.01)、ACP研修参加(β=.04, p<.01)が有意な影響を示した(調整済R2=.99)
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