研究課題/領域番号 |
20K10804
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
田中 愛子 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (10285447)
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研究分担者 |
藪本 知二 山口県立大学, 社会福祉学部, 教授 (30244768)
永田 千鶴 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50299666)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アドバンスケアプランニング / 生活関係の清算 / 看護師 / 医師 / 医療ソーシャルワーカー / 介護支援専門員 / 弁護士 / インタビュー |
研究実績の概要 |
本研究の最終目的は、アドバンスケアプランニング(ACP)と同時に、看護師が患者の生活関係の清算への支援ニードを把握して、必要に応じた支援を行う方法を開発することにある。2020年度は、各職種へのインタビュー調査を行い「人生の最終段階の生活関係の清算」への支援は、医療の中でどこまで行われているのか、その実態を把握することであった。医師5名、看護師5名、介護支援専門員・医療ソーシャルワーカー5名、弁護士5名の合計20名にインタビューを行い、質的に分析し、それぞれの職種の役割と機能のデータベースを作成することが目標であった。医療者へのインタビューガイドは、「終末期患者の生活関係の清算に遭遇した経験とその内容、アドバンスケアプランニングに立ち会った経験とその内容、アドバンスケアプランニングと同時に生活関係の清算を進めることは可能だと思うか」についてである。弁護士へのインタビューガイドは、「人が遺言を必要とする状況、患者の遺言相談・作成経験、医療チーム内での活動経験」について聞き取ることとした。 結果として、医師2名、看護師4名、介護支援専門員2名、医療ソーシャルワーカー2名の計10名のオンラインでのインタビューをおこなった。弁護士5名は日程調整ができず、インタビューができなかった。生活関係の清算について、介護支援専門員からは認知症の高齢者の成年後見制度の実態が、訪問看護師からは幼い子供を残して逝く若い母親の苦悩等が語られた。 今後は逐語録の分析と、5名の医療関係者と5名の弁護士へのインタビューを実施し、データベースを作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
医療関係者と弁護士合わせて20名のインタビューを計画していたが10名のインタビューに終わった。その理由に、コロナ禍の調査であり、面接調査の日程調整が難航したこと、対面が困難でありオンラインでのインタビューとしたが、事前打ち合わせに時間を要したこと等が「やや遅れている」理由である。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度9月までに5名の医療関係者と5名の弁護士へのインタビューを行い、11月までに逐語録の解析を行う予定である。 2021年11月から12月にかけて、医療関係者、弁護士を対象とした模擬カンファレンスを実施し、2022年1月から3月にかけて、看護師を対象とした質問紙を作成する。 以上の計画を推進すれば、その後の計画は予定通り進めることが可能になる。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費:今年度20名の調査対象者にインタビューを行う予定であったが、コロナ禍の調査であり、10名のインタビュー調査に終わったため、消耗品等を購入するための未使用額が生じた。この未使用額については、本年度のインタビューに関連する消耗品に充てるとともに、令和3年度に計上した模擬カンファレンスや質問紙作成の消耗品と合わせて使用する。 旅費:オンラインでのインタビュー調査やオンライン学会参加のため、旅費は使用しなかった。未使用額は、令和3年度に対面でのインタビュー調査や学会に参加する際の旅費として合わせて使用する。 人件費・謝金:調査員謝金、インタビュー逐語録の入力等の人件費等が未使用となった。この未使用額については、本年度に行うことができなかった調査の謝金や逐語録入力の人件費にあてるとともに、令和3年度に計上した謝金やアンケート作成および発送作業補助謝金と合わせて使用する。
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