研究課題/領域番号 |
20K10809
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
橋本 顕子 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00381971)
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研究分担者 |
風間 眞理 目白大学, 看護学部, 教授 (20347371)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 恋愛 / 精神障害 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、統合失調症を有する男性の恋愛を支援するために当事者の恋愛に対する認識や支援の実態を明らかにすることである。 第一段階として、精神障害者の支援に携わる就労継続支援B型事業所や精神科デイケア等の精神障害者に対する恋愛への支援方針や支援の実態に関する調査結果をまとめ、学会で発表し、今後論文として発表予定である。 また、第二段階として、統合失調症という病気やその体験による恋愛の認識の変化について、就労継続支援B型事業所や精神科デイケア等を利用する統合失調症を有する成人男性を対象に、インタビュー調査を実施している。先行研究の知見を踏まえ、成人期を成人前期(18-34歳)・成人中期(35-49歳)・成人成熟期(50-64歳)に区分し、現時点で同意が得られた当事者22名(成人前期1名、成人中期11名、成人成熟期10名)のデータを分析しつつ、学会で発表する予定である。今後、各区分のデータが飽和になるようにリクルートを続けて調査結果をまとめ、論文として発表予定である。 さらに、第三段階として、第一段階および第二段階の調査結果をもとに、統合失調症を含む精神障害を有する当事者を対象に、当事者の恋愛に対する認識や支援の実態について質問紙調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究の目的は、統合失調症を有する男性の恋愛を支援するために当事者の認識や支援の実態を明らかにすることである。第一段階として、施設を対象に組織的な恋愛支援に関する実態調査を行い、第二段階として、統合失調症を有する男性を対象に、恋愛やその支援に対する認識に関するインタビュー調査を行い、第三段階として、統合失調症を含む精神障害を有する当事者を対象に、恋愛やその支援に対する認識に関するインタビュー調査を実施する予定であった。しかし、 Covid-19による対象施設の閉所や利用時間短縮などにより施設のリストアップなどに課題があり、第一段階の施設の実態調査に取り掛かることが遅れた。さらに、第二段階の研究対象者のリクルートは施設を介して行う予定であったが、スタッフの感染や施設利用を差し控える人もいて、調査に取り掛かれずにいた。 令和4年度に第一段階の研究を進め、令和5年度より第二段階として、当事者を対象にインタビュー調査を実施し、得られたデータを分析している。恋愛に対する認識には文化や年齢が影響を及ぼすことから、18~64歳という成人期を3つの区分(成人前期(18-34歳)・成人中期(35-49歳)・成人成熟期(50-64歳))に分けて、収集したデータが飽和するように対象者をリクルートしている。 次年度の令和6年度は第三段階として、統合失調症を含む精神障害を有する当事者を対象に、当事者の恋愛に対する認識や支援の実態について質問紙調査を実施する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、第一段階の調査結果を論文として発表した後、調査結果を大学HPで公表予定である。さらに、第二段階の統合失調症を有する男性を対象にした統合失調症という病気やその体験による恋愛に対する認識の変化に関する調査結果をまとめ、学会や論文で発表予定である。成人前期の当事者数が集まらない場合には、そのデータを成人期としてまとめる。第三段階の統合失調症を含む当事者を対象にした恋愛の認識や支援のニーズに関する調査は、一つの県内における就労継続支援B型事業所や精神科デイケア等で実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
第二段階の統合失調症を有する男性を対象にしたインタビュー調査にかかる費用の一部および第三段階の統合失調症を含む精神障害を有する当事者を対象にした実態調査にかかる費用は未使用になった。 未使用額については、次年度に引き続き第二段階の調査にかかる費用および成果発表を行う学会参加費や旅費、第三段階の統合失調症を含む精神障害を有する当事者を対象にした実態調査にかかる費用として使用する計画である。 また、第一段階および第二段階の調査結果に関する論文投稿で必要となる英文校正費として使用する計画である。また、第一段階および第二段階に関する成果物の印刷製本費、大学HPで調査結果を公表するためのHP運営費として使用する計画である。
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