研究課題/領域番号 |
20K10817
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
松井 希代子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (90283118)
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研究分担者 |
中川 淳 金沢医科大学, 医学部, 教授 (70262574)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / 糖尿病腎症 / 療養認識 / 経験学習理論 |
研究実績の概要 |
研究目的 2型糖尿病腎症の療養認識である「高肯定感」認識パターン(以下、「高肯定感」)の患者は、食事・運動・薬物療法の療養行動実行度が高く、4年間の縦断的追跡調査においても、療養行動継続・腎機能を維持し、「高肯定感」を目標とする意義が示唆された。生活習慣を形成し直す学習において、経験は重要な役割を果たすと考えられ,経験学習論に着目した。生活習慣の改善を継続する「高肯定感」は、健康についての学習を自ら進展させ、他の「現実逃避」「原因不明感」認識とは異なると考えた。今回、2型糖尿病腎症患者の療養認識の経験学習の実態を明らかにする。 研究方法 対象;20~79歳の2型糖尿病腎症患者とした。除外条件は、薬剤性糖尿病、妊娠糖尿病、透析治療中とした。調査時期;2021年12月24、25日。調査方法;疾患別のモニターを管理保有する民間のリサーチ会社を通して研究参加を呼びかけ、インターネットリサーチとした。金沢医科大学の医学倫理審査委員会の承認を得て実施した。 調査内容 1.基本属性:性別・年齢、2.療養認識:「療養認識パターン分類質問紙」8項目、3.経験学習尺度16項目 結果及び考察 1.対象;有効回答数は109名。男性99名、女性10名。年代は、20~40代12名、50代47名、60代29名、70代21名。2.2型糖尿病療養認識;「高肯定感」64名、「現実逃避」13名、「原因不明感」3名、その他30名。2.療養認識の違いによる経験学習;「原因不明感」は少なく、比較できなかった。「現実逃避」は、16項目、全てにおいて「高肯定感」より全く・ほとんどしていないと答えた。【必要な情報を集めて経験したことを分析する】、【自分のやり方が正しいかどうか試す】、【様々な意見を求めて自分の療養のやり方を見直す】、【様々な経験の機会を求める】、の4項目で「現実逃避」の方が「高肯定感」よりいつもしていると答えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
量的研究の調査1については実行できたが、対面のインタビュー調査2は、倫理審査の承認を受けたが、感染予防に心がけて行う必要があり、時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
外来で患者紹介をしてくれる医師や外来師長との連携を深め実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
アンケート調査分析の若干の遅れにより、外注費(データ分析)を令和4年度に支出することになったこと、またコロナ禍によりインタビュー調査が当初の予定通りに行えず、その外注費(逐語録作成)を使用することができなかったことより次年度使用額が生じた。 令和4年度は、外注費(データ分析、逐語録作成)、学会参加費、英文校正料などに使用する。
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