研究課題/領域番号 |
20K10819
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研究機関 | 星城大学 |
研究代表者 |
坂井 一也 星城大学, リハビリテーション学部, 教授 (10531478)
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研究分担者 |
古賀 誠 昭和大学, 保健医療学部, 講師 (20532823)
木村 大介 関西医療大学, 保健医療学部, 教授 (90513747)
窪 優太 星城大学, リハビリテーション学部, 講師 (90836008)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 統合失調症 / 認知機能 / 対人関係 / ブラインド / プログラム |
研究実績の概要 |
ブラインドサッカー(簡単な練習)が、コミュニケーション能力、信頼関係構築の向上に寄与すると言われている。通常、晴眼者は、情報の8割程度を視覚から得ていると言われ、ブラインドサッカーは視覚情報に頼らないコミュニケーションが必要とされる。通常のサッカーとは違い、アイマスクをしてサッカーをすることにより、視覚以外の感覚からの情報を適切に処理し、環境の認知ができるように注意を注がなければならない。プレイヤーは、直接音、反射・反響音、気流、足の裏からの情報などを、建物や地面などの環境の構造や機能の概念的枠組みと結び付けて、総合的に認知することで空間を認知する必要があり、日本ブラインドサッカー協会は、注意力・集中力・情報処理能力が向上するとしている。 統合失調症者は、場の空気が読めない、言葉を表現することが苦手、相手との 距離感が掴めないなどのことから、社会生活や日常生活のしづらさを抱えており、対人関係の病と言われている。 2021年度は当初の予定ではパイロットスタディを行う予定であったが、2020年度と同様に、新型コロナウィルスの影響で、対面での研究が困難な状況であったために、ゼミ生の卒論として大学生に対して「ブラインド体験プログラムによるコミュニケーション能力向上の検証」を行った。感染対策で対象者が8名と少なかったが、コミュニケーション能力向上の可能性があることが確認された。 2022年度は、新型コロナウィルスの影響が続いたが、対面での研究者会議を2回、ブラインドサッカー協会による体験プログラムを1回行った。「Communication Skills Training program with Blind experience」(案、仮称)のマニュアルを作成した。2023年度は介入研究の研究倫理申請を済ませ、介入を開始したが、対象者が少ないため研究期間の延長を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度から2022年度も新型コロナウィルスの影響で、日本ブラインドサッカー協会の研修が中断され、また研究協力施設(医療機関)への出入りも規制されている。2023年になりようやく規制が少し緩和され始めた。 2021年から日本ブラインドサッカー協会の研修会が小規模ながらオンラインで行われるようになったので、研究者の坂井、古賀が参加し、ブラインドを利用したプログラムの検討を行った。 2021年度も新型コロナウィルスの影響で対面でのプログラム実施が難しい状況であったために、ゼミ生の卒論として大学生に対して「ブラインド体験プログラム によるコミュニケーション能力向上の検証」を行った。また、日本ブラインドサッカー協会のオンライン研究会に参加した。 2022年度、ようやく対面での研究者会議を2回行うことが出来、ブラインドサッカー協会によるブライドサッカー体験を行うことが出来た。その結果、「Communication Skills Training program with Blind experience」(案、仮称)のマニュアルを作成した。 2023年度、研究倫理申請を行い、介入研究をスタートした。しかしながら、まだ新型コロナウィルスの影響もあり、対象者が1桁に留まっている。従って、研究期間の延長を行った。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度から2022年度まで、新型コロナウィルスの影響で研究が滞っている状況である。 2022年度後半に対面による研究者会議などを行い、「Communication Skills Training program with Blind experience」(案、仮称)のマニュアルを作成した。 2023年5月8日から新型コロナウィルスが5類に変更されるため、研究施設での介入研究が行える環境になり、研究倫理申請を行い、9月からの介入研究を実施している。しかし、研究施設である病院等はまだ新型コロナウィルスの影響があり、対象者の確保に苦労している。対象者数が少ない状況であり、研究期間を1年間延長した。 2024年度は、引き続き介入を行い、研究対象者を増やし、研究結果をまとめ、一部を学会発表予定である。また、論文作成も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
まだ、新型コロナウィルスの影響があり、研究対象者の確保が困難な状況があり、対象者を増やすために研究期間を延長した。研究対象者が少なかったために、人件費・謝金等が少なく、まとめて学会発表することも出来なかった。 今年度も介入研究を継続するために、人件費・謝金が必要である。また、研究内容を学会発表するために学会参加費、旅費等が必要となる。 更に、論文作成のための経費が必要である。
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