研究実績の概要 |
今年度は(2021年度2年目,2021年4月から2021年10月)研究の第2段階へと進み作成したプロトコールの内容妥当性の検討,プロトコールの修正・決定,介入実施者の訓練を行い,作成したプロトコールを初年度のFGI対象者60名に質問紙で内容妥当性の検討を依頼した。作成したプロトコールは内的一貫性,信頼性,妥当性について概ね支持された。さらにプロトコールについて国内のPAS-SCT専門家小谷英文博士,包括的支援マネジメント専門家ベス・フェニックス教授から指導・助言を得,プロトコールを確定した。 そして作成したプロトコールが実施できるよう研究に協力が得られセルフケアプログラムを展開している2つの精神科病院と連携している2つの訪問看護ステーション・自治体において介入群の介入実施者となる精神看護CNS 2名,看護師40名,訪問看護師10名,医師5名,精神保健福祉士5名,臨床心理士5名,自治体保健師10名,合計77名を対象に介入訓練を行った。介入訓練は,77名を20名ずつの4グループにし,各グループはセルフケア能力強化の方法(PAS-SCT)8時間,包括的支援マネジメント8時間合計16時間(集中2日間)の訓練を実施した。訓練は講義,事例検討,ロールプレイから構成され,セルフケア能力強化と包括的支援マネジメントに関する知識と技術で評価を行った。コロナ感染症拡大防止のため多くの病院が研修への出張をとめているためオンラインで実施した。 プロトコール確定,実施者訓練を行った後,プロトコール実施群と対照群とで介入を始めている。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は介入群40名と対照群40名に介入と通常ケアを入院から退院3か月間介入を行う。そして2群間,介入前後の比較を行う。両群とも介入前,介入1・3(退院時)・6か月後に評価を行う。評価は病状(Brief Psychiatric Rating Scale, BPRS,包括的病状評価尺度),日常・社会生活機能評価(WHO-Disability Assessment Schedule,WHO-DAS,2.0),セルフケア能力(セルフケア能力評価質問紙),生活の質(WHO-QOL),再入院率,地域生活期間で行う。BPRS,再入院率,地域生活期間は精神看護CNSが記載し,他質問紙は患者に質問紙記載を依頼する。分析はSPSS,VER.26.0を用い介入前後の比較,2群間の比較を行う。分析・考察については国内・外の指導者から助言をもらう。これらの結果を報告書としてまとめていく。
|