研究実績の概要 |
これまでに作成した重度慢性の精神障害者に対する(身体疾患患者を含む)プロトコールを実施し介入前後,介入群と対照群の比較を行った。プロトコールは患者の総合アセスメントをもとにcaseフォーミュレーションを行い、セルフケア上の目標の設定方法、ケアプログラムの展開を行うこととした。また重度・慢性精神障害者のセルフケア能力強化を基盤とした包括的支援マネジメントもプロトコールの内容として実施した。 ・2021年-2023年:精神科病院急性期包括病棟において入院1年以上・短期間で入退院を繰り返す重度・慢性精神障害者40名(1病院20名ずつ6か月で10名ずつを目標に介入)に対し,プロトコールを6か月間(入院中3か月,退院後3か月,合計6か月間の介入)実施した(介入群)。プロトコールは患者ごとに受け持ち看護師と話しあい振り返りながら実施した。また同じ精神科病院に入院し同意は得られたが介入は希望しない患者(入院1年以上・短期間で入退院を繰り返す重度・慢性精神障害者)には通常ケアを実施した(対照群)。こちらも受け持ち看護師と話しあいながら実施した。両群とも介入前,介入1・3(退院時)・6か月後に評価を行った。評価は病状,セルフケア能力で評価し介入は質的に記載した。これらはオンラインで行った。介入前後の比較,2群間の比較を行った。研究の経過、PAS-SCTの展開方法、介入技法、分析・考察については国内のPAS-SCT指導者から助言をもらった。また他領域のPAS-SCT実践者からプロトコールの信頼性や妥当性の検討を依頼しながらプロトコールの修正をすすめた。
|