研究課題/領域番号 |
20K10823
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研究機関 | 日本赤十字広島看護大学 |
研究代表者 |
戸村 道子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 教授 (00343682)
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研究分担者 |
木村 幸生 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (70549112) [辞退]
笹本 美佐 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (70568104)
松本 陽子 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 講師 (10709166) [辞退]
惠良 友彦 日本赤十字広島看護大学, 看護学部, 助教 (80879817)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 精神科看護 / 倫理的悩み / 倫理的レジリエンス / 職場環境 / ケアの質 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、精神科病院で働く看護師が倫理的な課題に遭遇した時、患者中心の看護を提供するために、困難な状況にあっても、状況を看過するのではなく状況を適切に評価し、建設的な問題の解決を図ろうとする倫理的レジリアンスの様相と、職場環境とケアの質の観点からモデルを構築する事にある。 本年度は、昨年度からの文献検討より、一般システム理論の枠組みで、看護師、患者個人と病棟環境の相互関係の視点から、看護師と患者、職場環境とケアの質を捉えることとした。本研究のキー概念である「倫理的レジリエンス」について、Rushton(2018)の捉える定義を用いて「倫理的問題に遭遇した際に、逆境にもかかわらずに看護師個人の全体性・統一性を維持し、もしくは回復する個人の能力」と捉えることとした。倫理的レジリエンスの属性としてRushtonの説明する看護師の責務に照らし倫理的課題により損なわれる可能性のある看護師「個人の完全性・統一性」、「人間関係から捉えた統一性」、そして倫理的な問題で悩み逆境からの「浮力・跳ね上がる力」の概念を臨床的意味に適応する具体的な概念を明確にしていく。昨年度、精神科熟練看護師へインタビュー調査の準備を開始する予定であったが、コロナ対策等により研究の進行が大幅に遅れている状態である。熟練看護師の個人的な経験と倫理的な対処行動の軌跡や揺らぎの経験を明確にする。その後個人特性に関わらず共通した傾向から、量的な研究で関連検証できるまでに至るよう関連する概念と因子を明確にしていく。看護師組織的な枠組みからの視点で、精神科特例等の日本の精神科臨床現場に即した内容と共通する病棟の倫理的な側面の関連・影響要因として特性を明らかにし、精神看護のアウトカムについて、早急に関連因子を明確にするよう探っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
共同研究者の移動と交代、コロナ感染症対策のため教育事業に多くの時間を必要としたため
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、国内外の文献検討により関連因子の洗練、インタビューガイドの作成、および調査尺度の精選を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症の蔓延により学内教育の対応に時間がかかって研究が遅れているため。 R4年度は研究のデータ収集のために計画していた旅費、データ分析の補助事業のために使用計画である。
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