研究課題/領域番号 |
20K10825
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
山本 晴美 横浜市立大学, 医学研究科, 客員研究員 (80800565)
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研究分担者 |
叶谷 由佳 横浜市立大学, 医学部, 教授 (80313253)
森田 久美子 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 准教授 (40334445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 睡眠リズム障害 / 看護介入 / 動機づけ面接 / 認知行動療法 |
研究実績の概要 |
本研究申請後の2019年11月末から世界的に広がったCOVIDー19によるコロナショックは、世界中の社会、経済に莫大な損失を与え、人々の生活を平常から非常事態へと変化させた。こうした状況下で、本研究者は看護師として行政における発熱相談などの業務に関わる中で、夜間休日にはCOVIDー19の罹患に関する不安、急変により死亡するのではないかという恐怖、受診拒否やPCR検査が思うように受けられないことへの怒り、仕事や学校が再開できず社会生活の基盤喪失によるストレス、呼吸困難に起因するパニック症状など、単なる健康相談だけではなく、人々のその日その時の生の声を聞いてきた。そこで、申請時に計画していた睡眠の認知行動療法や、対人関係療法なども社会との接触が制限されている現在では同様の形式で研究を計画、遂行することが難しいと考えた。そして、その後も第3波、第4波と続き、まだ渦中にある現在、そして今後も続くであるCOVID-19禍の状況に即した研究計画にするため、現状把握や文献検討などを中心とした研究活動を実施した。2020年度は、研究計画の準備期間として、睡眠覚醒相後退障害に対し睡眠の認知行動療法と動機づけ面接を組み合わせた手法が睡眠覚醒相後退障害に対しこれまでの効果とCOVID-19禍の現状における追加的要因についてシステマティックレビューによる文献検討を行うためにタイトル登録の準備を行い、現在継続実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19により、当初の研究計画時と人々の生活が大きく変化し、同様の研究介入では現状に即したものとは言えずより介入効果が期待できるような研究計画へ変更したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後の計画としては、COVID-19による生活の変化に伴い睡眠覚醒相後退障害を抱え、学業や社会生活を順調に送れないという成人期を対象とし、COVID-19禍において人と人との接触が減少したことから対人関係療法を用いるのは難しいと考え、面談時に対象者との関わりや問題の焦点化を得意とする動機づけ面接の技法と睡眠の認知行動療法を組み合わせた新たな介入計画を検討している。またアウトカムについても、睡眠だけでなく対象者の身体面や生活の質の変化についての改善を試みる。今後の計画として、2021年9月までに倫理審査を提出し、2021年10月アンケート調査を実施、そこで睡眠覚醒相後退障害のスクリーニングを行い、その中から希望者に介入を実施し、効果を検討するといったミックスメソッドの手法を行っていく。また、この時期に設定している理由として、7~8月が夏休みや東京オリンピックなど大規模な行事が行われた場合を加味して、この時期を外している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初より、初年度は研究計画期間とし、次年度に研究実施期間としていたため、計画通りである。加えて、当初は国際学会への出席や研究協力機関での機器の購入なども予定していたが、COVID-19の影響で国内外の学会の中止やオンライン開催への変更、研究対象者の変更により研究協力機関での機器購入が発生しなかったことが理由である。
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