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2023 年度 実施状況報告書

特定妊婦に対する助産師の継続支援システムの探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K10827
研究機関山梨大学

研究代表者

佐々木 美果  山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (80620062)

研究分担者 小林 康江  山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (70264843)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード特定妊婦 / 気になる妊婦 / 社会的ハイリスク妊婦
研究実績の概要

令和5年度は、分析したデータの一部の結果をもとに、助産師が今後の育児が困難になるであろうと予測する「気になる妊婦」の因子構造について、Japan Journal of Nursing Scienceに発表した。
全国の病院および診療所に勤務する1,389名の助産師が、「かなり気になる」ととらえた27項目の妊婦の様子を抽出し、探索的因子分析を行った。その結果、7因子23項目が抽出された。抽出された各7因子は、【親密なパートナーからの暴力(IPV)被害が疑われる】【夫婦(パートナー)との関係に違和感がある】【妊娠に対する葛藤を感じる】【保健医療行動に違和感がある】【身体のリスクを伴う行動がある】【子どもとの関係が築けていない様子がある】【ボンディング障害が疑われる発言がある】と命名した。さらに7因子23項目の確認的因子分析を行ったところ、適合度指標を満たしていた。確認的因子分析の結果として、各潜在因子の間に高い相関が存在したため、2次因子分析を行った。その結果、≪緊急に支援につなげる必要がある妊婦≫という2次因子名が抽出された。また2次因子分析の適合度を確認したところ、適合または許容範囲であった。
これらの結果より、助産師が今後の育児困難を予測する「気になる妊婦」は7因子23項目であることが明らかとなり、助産師が「気になる妊婦」を察知するための手がかりを示すことができた。今後は助産師が察知する「気になる妊婦」の視点を、母子保健に関わる専門職が共有していくことで、助産師がとらえきれていない視点をチーム医療として補完することができ、「気になる妊婦」を多面的な視点から察知することが可能になると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

質問紙調査で得たデータの一部を分析し、助産師が察知する「気になる妊婦」の因子構造に関する論文発表は行うことができた。しかしデータ分析および論文の投稿までに時間を要し、全ての分析を終了することができなかった。

今後の研究の推進方策

昨年度までに分析が及ばなかった、助産師が察知する「気になる妊婦」の様子に関するデータや、助産師の属性をふまえた内容についても検討を行い、分析を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

データ収集の時期が遅れたことによりデータの回収や分析の時期が遅れ、分析の一部のみの発表となったため。令和6年度は残りのデータの分析を進め、成果発表の準備を遂行する費用として使用していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] The factor structure of “expectant mothers of concern” as perceived by midwives2023

    • 著者名/発表者名
      Sasaki Mika、Kobayashi Yasue、Nakamoto Kazunori
    • 雑誌名

      Japan Journal of Nursing Science

      巻: 21 ページ: 1-13

    • DOI

      10.1111/jjns.12576

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2024-12-25  

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