研究課題/領域番号 |
20K10830
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松浦 幸恵 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (80836156)
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研究分担者 |
安井 敏之 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (40230205)
チャン ホアン・ナム 徳島大学, 高等教育研究センター, 講師 (30800594)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ベトナム人 / 留学生 / 女子大学生 / 月経随伴症状 / 月経異常 / 縦断研究 |
研究実績の概要 |
最終年度はコロナ禍が落ち着いたため、ベトナムの1大学との国際共同研究を実施することができた。本学と共同研究大学それぞれの研究倫理審査委員会の承認を得た後に、ベトナムの女子大学生の月経や月経随伴症状および関連する要因を明らかにするためWeb調査を実施した。調査では、月経随伴症状は46症状を問うMenstrual Distress Questionnaireを使用し、何らかの月経随伴症状がある学生割合は月経前92.0%、月経中98.9%で、症状の強さとストレスの強さは関連があることが明らかとなった。また、昨年度に実施した2大学の留学生を対象とした月経異常の調査結果をまとめた。3時期(来日前、来日後で1番心身が辛かった時期、現在)それぞれの月経や随伴症状、生活習慣、ストレス等を調査したが、来日後一番辛かったと思う時期に月経異常が多く、月経随伴症状が強かった。症状の強さに関連する要因として、飲酒やストレスの強さが明らかとなったが、時期により関連するストレス内容は異なっていた。さらに、2022年4月に入学した日本人女子大学生の入学後3ヵ月目と9ヵ月目の月経や随伴症状の変化に関する縦断研究結果をまとめた。2時期では、月経周期や随伴症状の有意な変化はなかったが、9ヵ月目には月経前の「集中力の低下」に関する症状の強さは軽減傾向にあること、7時間未満の睡眠時間と月経中症状の悪化に関連があることが明らかとなった。これら3つの研究結果は海外論文に投稿し掲載された。 留学生、日本人、ベトナム人大学生への調査や、日本人女子新入学生の縦断研究を通し、ほとんどの女子大学生は何らかの月経随伴症状を持ち、月経随伴症状の強さに関連する大きな要因はストレスであった。月経だけではなくストレスマネジメント教育の必要性が示唆された。
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