研究課題/領域番号 |
20K10831
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
関屋 伸子 高知大学, 教育研究部医療学系看護学部門, 教授 (60443892)
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研究分担者 |
前田 長正 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (60229309)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 安心・安全な分娩 / 子宮頸管開大曲線 / フリードマン分娩曲線 / 分娩予測モデル / 日本人女性 |
研究実績の概要 |
令和3年度(2021)は基礎的知見として初年度に実施した日本人女性の分娩所要時間及び遷延分娩の影響要因に係る先行研究における文献検討の結果について学会誌への投稿準備を進めた。先行研究から日本人女性の分娩所要時間は遷延している可能性があることや、骨産道・軟産道の異常、娩出力の異常、娩出物の異常に加えて、出産歴、妊娠週数、年齢、妊婦の体格、耐糖能異常(GDM)、内科的合併症、婦人科疾患合併、心身のコンディションが分娩遷延に影響することが示唆された。日本人産婦の分娩所要時間および頸管開大度推移の調査としていた基礎情報(年齢、体格、妊娠分娩歴、産科合併症、既往症)及び分娩経過情報(分娩所要時間、子宮頚管の開大度、子宮頚管の展退度、児頭の位置、子宮頚管の硬度、子宮口の位置、分娩様式、分娩時の異常)に加えて、骨盤外計測および妊娠期のEPDSのデータを加えて臨床研究計画書を立案した。主要な調査データである内診時間及び内診所見(開大度Cervical dilation(cm)、子宮口の位置Cervical position(±5)、展退度Cervical effacement(%)、子宮頸部の硬さCervical consistency、児頭の位置(先進部の高さ)Fetal Station)は、分娩期の看護記録或いはパルトグラムを用いた後方視的調査として個別に収集する必要があるため、研究の遂行については臨床データ入手方法を考慮して分娩所要時間および頸管開大度推移の調査を並行させるのではなく、分娩各期の分娩所要時間について検討してから、子宮頸管開大推移を検討することに研究調査の手順を軌道修正した。 また、研究調査協力施設のリクルートを試みたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により臨床調査の協力施設の確保は困難であった。そのため、研究協力施設を拡大して次年度(2022)に調査を実施する予定に変更し、調査施設の内諾を得ることができたため実態調査に向けた準備は整えることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
依然として新型コロナウイルス感染症拡大の影響により調査の実施は困難な状況であった。また、研究責任者の所属が変更となることが決定したため研究分担者と研究進捗打合せを行い、本格的な調査の実施は次年度に持ち越して調査施設を拡大して実施することした。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、調査施設を拡大して次の2点について調査を進める。 1.日本人産婦の分娩所要時間の影響要因の調査:研究協力機関の過去10年間の診療録・分娩記録から基礎情報(年齢、体格、妊娠分娩歴、産科合併症、内科的合併症、婦人科疾患合併、既往症)及び分娩経過情報(分娩所要時間、分娩様式、分娩時の異常)及び妊娠期のエジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)(可能な場合に限り)のデータを収集し、分娩各期の平均所要時間を算出し、その影響要因の重回帰分析を行う。 2.分娩期における子宮頸管開大度の推移に関する調査:研究協力機関の過去10年間の診療録・分娩記録から分娩経過情報(子宮頚管の開大度、子宮頚管の展退度、児頭の位置、子宮頚管の硬度、子宮口の位置)のデータを収集し、初産婦・経産婦別の子宮頸管開大曲線を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画では、令和3年度に日本人産婦の分娩所要時間および頸管開大度推移の調査を行い、分娩所要時間および影響要因の解析、子宮頸管開大度推移の分析を行う予定であった。しかしながら、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大の影響により臨床施設での調査実施が極めて困難な状況であった。また、研究責任者の所属が変更するため、本研究目的を遂行するにあたり、研究分担者と協議した結果、令和4年度に調査協力施設を拡大して臨床における調査を行う必要がある。
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