研究課題/領域番号 |
20K10846
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研究機関 | 豊橋創造大学 |
研究代表者 |
中島 怜子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (90550278)
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研究分担者 |
柴田 真由子 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (30712400)
藤井 徹也 豊橋創造大学, 保健医療学部, 教授 (50275153)
笹木 りゆこ 豊橋創造大学, 保健医療学部, 講師 (60550283)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 食物アレルギー / 子ども / 母親 / 不安 / 心理教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、「Ⅰ.食物アレルギーの子ども(①発症~乳・幼児期、②学童期以降)の母親を対象とした心理的負荷軽減のための2種類の心理教育プログラムを作成する。Ⅱ.食物アレルギー児を養育する母親を対象にプログラムを実施する。プログラム開始前後、フォローアップ後に、母親に日本語版育児ストレス尺度、新版STAI検査等の質問紙調査を行い、プログラムの効果を検証する。」ことである。当該年度には概ね目的Ⅰについて実施し、プログラムの開発を以下の通り進めた。1.予備調査の結果を再考した。2.「食物アレルギーのある子どもを養育する母親の不安」、「食物アレルギーの子どもの保護者の支援ニーズ」、「食物アレルギーのある子どもを養育する保護者への支援」、「食物アレルギーの子どもと災害」、「父親を対象とした育児支援プログラム」に関する国内外の文献レビューを行った。3.上記1・2の結果をふまえ、プログラムの構成要素および実施方法を明確にし、素案を作成した。4.研究分担者、協力者(臨床心理士、アレルギー専門医、看護師・アレルギーエデュケーター)らとプログラムの素案について検討を重ねた。その結果、心理教育プログラム第1版を完成させた。教育セッションとして、「食物アレルギー症状出現時の対応」、「食事の管理」、「災害時の対応」、「園や学校との連携・調整」の4項目を主な内容とした。また、第2部として「意見交換会(具体的な不安や対応に関して共有しましょう)」を導入することで、心理教育的支援の要素(問題の共有を図りながら、具体的な対処技能や問題解決能力の向上を目指す。またファシリテーターは、参加者の相互作用を促進しながら、正しい最新の知識の提供を行う)を取り入れた。また、プログラムは、乳幼児および学童期以降の母親対象の2種を作成した。それぞれ協調する要素を異とした。なお、所属機関の倫理委員会申請、承認済みである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和2年度の研究実施計画では、研究目的Ⅰ「食物アレルギーの子どもを養育する母親対象の心理教育プログラムの開発(第1版)」および目的Ⅱ「母親対象の心理教育プログラム(第1版)実施による評価・修正」であった。研究目的Ⅰについては概ね、遂行でき、第1版を完成させた。なお今後、一部の追加・修正を行う予定である。一方で、2020年2月頃から発生したCOVID-19のパンデミックの影響をうけ、対象者のリクルート、および対面でのプログラムの実施は感染拡大の可能性があったことから、目的Ⅱのプログラムの実施、評価、修正については、当該年度の実施を見送った。なお、未だ感染拡大の終息の目途が立たないことから、今後、オンラインと対面でのハイブリッドでのプログラム実施を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
・令和3年度の研究計画 令和2年度に開発した心理教育プログラム(第1版)の一部、追加・修正および実施、評価、修正を中心に進めていく。7月以降、対象者(30名程度)をリクルートし、心理教育プログラムの第1版を実施する。プログラム実施前後で質問紙調査を行い、得られたデータを集計し、結果をもとにプログラムの評価、修正を行う。修正は、心理教育プログラム第1版の開発手順を主に踏襲する。これら過程を通して、食物アレルギーの子どもを養育する母親対象の心理教育プログラム第2版の開発を目指す。また、予備調査および文献レビューをふまえ、食物アレルギーの子どもをもつ父親(家族)対象の支援プログラムを並行して開発する。 ・令和4年度の研究計画 対象者(約30名)をリクルートし、修正した心理教育プログラム第2版を実施する。第1版同様に、実施前後に質問紙調査を行い、結果をもとにプログラムの評価、修正を行う。また第2版はフォローアップを含めたプログラムとし、追跡調査を加え、プログラムの効果を検証する。同時に、令和3年度に開発した食物アレルギーの父親(家族)対象の支援プログラムを実施し、評価、修正を行う。 なお、各プログラムの実施については、COVID-19の感染拡大状況を鑑みて、実施方法や時期を検討している。プログラムの効果を最大限とするためには、対面での実施が好ましいが、感染拡大が収束されない場合は、オンライン、もしくは対面とのハイブリッドで実施していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度の研究実施計画では、研究目的Ⅰ「食物アレルギーの子どもを養育する母親対象の心理教育プログラムの開発(第1版)」および目的Ⅱ「母親対象の心理教育プログラム(第1版)実施による評価・修正」であった。研究目的Ⅰについては概ね、遂行でき、第1版を完成させた。一方で、2020年2月頃から発生したCOVID-19のパンデミックの影響をうけ、対象者のリクルート、および対面でのプログラムの実施は感染拡大の可能性があったことから、目的Ⅱのプログラムの実施、評価、修正については、当該年度の実施を見送った。そのため、質問紙印刷用のコピー機の購入やプログラム実施の際の会場使用料等、当該年度に予定していた支出分を繰り越すことになった。
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