本研究は、医療事故判例を再発防止の観点から、特に助産師に焦点を当て分析し、助産師教育や卒後教育に役立てることを目的とした。研究1では、過去20年の医療過誤裁判から助産師に関する事例を収集し、再発防止対策を検討した。主な争点は医師への報告義務や異常時の対応義務などであり、助産師の証言や記録の重要性が明確に示された。研究2では、分娩に関わる医療事故を経験し勝訴判決を受けた被害者3名を対象に面接調査を行い、被害者の視点から教材に反映させる取り組みが行われた。研究3では、医療事故判例の実践的活用に向けた研修を開催し、教材の評価や医療事故に対する理解の深化が確認された。
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