研究課題/領域番号 |
20K10854
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
斉本 美津子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (60347383)
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研究分担者 |
菊地 慶子 浜松医科大学, 医学部, 助教 (20456552)
田城 孝雄 放送大学, 教養学部, 教授 (60207024)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 妊婦 / メンタルへルス / 尺度開発 |
研究実績の概要 |
我が国の妊産婦死亡率は、3.5/10万を示し、安全に出産ができる国である。しかし、2005年から2014年までの10年間、東京23区で自殺をした妊産褥婦は63名いた。妊娠は病気ではないがメンタルヘルスを崩し、母子の命やQOLに影響する。早期予防の視点から妊娠期からメンタルヘルスを評価が求められる。しかし、妊娠期に特化した指標や尺度が国内外に見当たらない。そこで我々は、妊娠期の女性がメンタルヘルスを崩す要因を可視化し、適切に評価するための尺度を開発する研究に取り組んでいる。 2020年度の研究実施状況については、調査場所のAクリニック助産師外来で行った。調査の対象者数は、210名(有効回答数205名有効回答数95.2%)。調査方法は、助産外来に保健指導を受けるために来院した妊婦を対象に、研究の趣旨を説明用紙を用いて説明を行った。研究の趣旨に同意を得られた妊婦にその場で自記式質問紙を配布し、回答が終了後、その場で回収をした。対象の特性は、妊娠週数15から40週までの妊婦、平均28週±5日。初産婦103名(50.2%)、経産婦102名(49.8%)。妊婦の平均年齢は35.2±5歳であった。 データの分析と結果は、質問紙の構造について信頼性と妥当性の検証を行った。信頼性はαのChronbach`s係数を算出し.92 であった。構成概念の妥当性を検証するために因子分析を行った。因子構造は6因子であった。既存尺度、キャロル抑うつ尺度、日本版GHQ、2質問法を用いて相関関係を検証した。質問紙との相関関係は認められなかった。 今後の課題は、質問紙の信頼性は高値を示しているが、質問項目の多さと、類似する質問内容であることが予測される。したがって質問内容と項目数調整をしていく必要がある。そして尺度の内的妥当性の検証を既存尺度との関連性について分析方法を再検討することが課題である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナウイルスの感染拡大により、調査場所であるパークベルクリニックは母親学級と両親学級を中止した。そのため助産師外来のみで対象者にアンケートの依頼をすることになった。今年度は300件の調査用紙を配布する予定であったが約200件の回収ができている。
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今後の研究の推進方策 |
母親学級等でのアンケート用紙の配布は今後もできないが、助産外来でのアンケート調査を継続する。配布方法として、助産師外来で保健指導を受けない妊婦、妊婦健康診査のみの妊婦への協力依頼を現在検討している。また再テスト法の一つとして、異なった環境で質問紙を配布し、回答内容を既存の結果と照らし合わせる、一致率の確認を調査内容に組み込み、質問紙作成の完成度を高める方法も加味して今年度の調査を遂行する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウイルスの感染拡大に伴い、調査場所での環境が変わり対象者数の調整が必要となった。また学会発表や参加、研究の打ち合わせ等の予定を変更したため、予算の使用方法を変更した。
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