1.具体的内容:本研究では、40~59歳までの女性を対象として、ヘルスリテラシーに関する質問紙調査を行う予定である。そのため、2023年度は文献検討により、更年期女性に必要なヘルスリテラシーの要素について明らかにした。 2.意義:WHOはヘルスリテラシーを「健康の維持・増進のために情報にアクセスし、理解、活用する動機や能力を決定する認知的・社会的スキル」であると定義している。しかし、更年期特有のヘルスリテラシーは定義されていない。また、一般に開発されたヘルスリテラシー尺度を調査した結果、現在の尺度では、対象者が更年期女性でないものや、尺度項目が少なく、幅広い症状を呈する更年期女性のヘルスリテラシーを明らかにするには不十分なものも多く、更年期女性のヘルスリテラシーを測定する新たな尺度が必要だと考える。 3.重要性:更年期は老年期に結び付く重要な時期であり、のぼせ、動悸、気分の落ち込みなどの不快な症状を呈しやすい。このような時期の女性はヘルスリテラシーを高める必要があるが、更年期に関するヘルスリテラシーが低い更年期女性が多いことが指摘されている。竹中、酒井(2021)は、質問紙調査により、ヘルスリテラシーが低いことは更年期症状の悪化につながると結論づけている。今後、更年期特有のヘルスリテラシー尺度を作成し、更年期女性のヘルスリテラシーの程度を明らかにすることによって、更年期女性のヘルスリテラシーを高めるための支援方法を考える一助としたいと考えている。
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