研究課題/領域番号 |
20K10857
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
佐々木 規子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (90315268)
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研究分担者 |
中込 さと子 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (10254484)
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70404209)
渡名喜 海香子 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (10818321) [辞退]
宮原 春美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 客員研究員 (00209933)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | プラダー・ウィリー症候群 / 社会的適応 / 当事者 |
研究実績の概要 |
本研究対象のPrader-Willi症候群(以下PWS)のある人の人生を脅かすのは、食物を際限なく食べ続ける行動に基づく2型糖尿病、心疾患、閉塞性呼吸障害と、前頭葉機能の問題からくる固執、認知機能障害、社会的状況理解の乏しさからくる不適切な対人行動である。PWSのある人は幼児期から就学期に度重なる問題を起こす。青年期以降はそれに加え、就労などで広がる社会生活に適応できず、身体的精神的不調を起こしやすい。そこで、本研究は成人期PWSのある人を主体におき、PWSに特有な感情調節と行動上の問題をコントロールするための当事者プログラムを開発することを目的とした。 令和2から3年度は「プラダー・ウィリー症候群の人々のケア基準のためのベストプラクティスガイドライン(2010年,IPWSO)」の勉強会を全国のPWSのある人の親や支援者と開催予定であった。この勉強会では参加者各々の経験を踏まえながら、PWSのある人の特性やニーズについてディスカッションを行い、成人期PWSのある人の特性とニーズを把握するためのアセスメントツール開発の予定であった。しかし、一昨年末からみる新型コロナウィルス感染症の拡大予防の観点から対面での勉強会の開催を見送り、現在に至っている。その間、PWSのある人の生活や医療・福祉、教育支援に関する国内外の現状を文献や家族会から情報収集を行っている。また、PWSの家族会と当事者支援に関わるプログラム開発に向けた計画の見直しを行っている段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
「プラダー・ウィリー症候群の人々のケア基準のためのベストプラクティスガイドライン(2010年,IPWSO)」の勉強会を全国のプラダー・ウィリー症候群のある人の親や支援者と開催する予定であったが、新型コロナ感染症拡大予防の観点から開催を延期したため。
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今後の研究の推進方策 |
現在、PWS者は新型コロナウィルス感染拡大予防のためにこれまでの生活が変わり、大きな不安を抱えている。本プログラムは感情調節や行動上の問題をコントロールするための当事者プログラムであるが、新型コロナウィルス感染症の終息を見通せない、そしてこれからの生活がどう推移するかわからない不安定な状況において、その効果を適正に評価することは困難と思われる。この変わりうる状況においては、主体をPWS者の成人期にだけに留めず、PWS者の全てのライフサイクルに目を向け、発達課題を考慮した連続性、継続性のあるプログラムが適当と考えた。 PWS者の安定は、家庭に限らず学校から作業所等において家庭に準じた一貫性がある対応が重要であり、各期の安定はその後の安定にも大きく影響する。そこで、PWS者がストレスを感じ不適応行動が目立ち始める学童期前まで対象を広げる。PWS者の親と支援者(教員、医療、福祉等)と共に各ライフライクルにおけるサポートニーズを明らかにし、支援体制整備を目指すものとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大予防の観点から全国における勉強会を延期し、実施しなかったため、計画的な予算執行ができなかった。 次年度は延期となった勉強会及び調査旅費、オンライン調査にかかる費用に充てる予定である。
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