研究課題/領域番号 |
20K10862
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研究機関 | 金城大学 |
研究代表者 |
子吉 知恵美 金城大学, 看護学部, 講師 (50363784)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 発達障害児 / 保健師 / 早期支援 / 支援実践 / child's disability / health guidance |
研究実績の概要 |
研究1については、COVID19の影響で調査規模の縮小化はあったが、「発達障害児の早期支援に向けた保護者の障害受容を促す保健指導実践能力評価尺度の開発」を行った。2021年度は、これをJournal of Wellness and Health Careに投稿した。論文題名は、「Development of an evaluation scale for health guidance practice to support parents of preschool children with developmental disorders with acceptance of their child's disability」である。日本の保健師による保健指導実践だけでなく、オーストラリアや米国、英国など発達障害児に対する先駆的実践を行っている諸外国での実践にも通じるものがあると考えられ、英文として公表した。また、2021年度は、2020年度調査内容をもとに尺度開発時に基準妥当性の確保のために使用した共感経験尺度改訂版(以下、EESR)20項目を使用し、保健師と一般成人との共感経験について検討した。SSEとSISEの中央値を基準に高得点群と低得点群にわけ、2尺度の組み合わせから共感性について類型化を行った。基準とした中央値は、SSEでは35、SISEでは28とした。一般成人と保健師において、共有経験得点合計と共有不全経験得点で比較検定した。保健師は、全国の発達障害児支援した経験のある保健師であった。一般成人と保健師においてχ2検定を行った結果、共有不全型で有意であった(P< .001)。また、一般成人と保健師と共有不全経験得点においてt検定を行った結果、一般成人と保健師では差が認められ、保健師の共有不全経験が高いという結果であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
COVID19の影響で調査規模はあったが、研究1については2021年度までに投稿まで終えていることから、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
計画で研究1としてあげていた尺度開発については、COVID19の状況下ではあるが、現在実施可能な範囲で検討した。今後、COVID19の感染拡大状況を鑑みながら、今回作成した内容をもとに、再度確認していきたいと考える。また、計画2については、全国調査実施については、COVID-19による影響が保健センターにどれだけあるかという状況をみながらの実施する。延期も視野にいれながら実施できる時期に行いたいと考える。研究1の尺度内容の日本への公表も兼ね、一般成人と保健師の共感性の検討内容については、和雑誌への投稿を実施したいと考える。また、研究2について、広く公表できるよう洋雑誌も視野に公表を考えていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度繰り越しをしての使用については、使用目的としての研究成果の公表という点において、国際学会への参加や洋雑誌投稿により公表を目指し、論文投稿料や英訳校正等に使用したいと考える。また、オンラインでの国際学会や研修会の開催があれば検討したいと考える。
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