研究課題/領域番号 |
20K10873
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研究機関 | 園田学園女子大学 |
研究代表者 |
竹内 佳寿子 園田学園女子大学, 人間健康学部, 助教 (70749192)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 予定帝王切開 / 予定帝王切開の出産体験 / 主体的に出産に関与したと思える体験 |
研究実績の概要 |
日本の帝王切開率は増加しており、今後、予定帝王切開も増加すると予測される。予定帝王切開で出産する女性が出産を肯定的にとらえるためのケアは、重要であるが検討されていない。本研究では、予定帝王切開で出産する女性が、主体的に関与したと思える体験を具体的に明らかにするため、陣痛に耐え、自分で児を産み出すことに対する価値づけをしている日本において当事者の立場から体験を明らかにする研究手法であるエスノグラフィーを用いて行う。予定帝王切開で出産する女性が主体的に出産に関与したと思える体験が明らかになることは、そのような体験をするための看護とは何かを明らかにすることにつながり、ケアの質を高め、方向性を示すこととなる。本研究の目的は、予定帝王切開で出産する女性が、主体的に関与したと思える体験を具体的に明らかにすることである。 2020年度は、研究計画書の作成と倫理審査の承認を経て、研究協力を依頼し、インタビューを一部実施できた。 研究計画書の作成では、予定帝王切開の女性が出産に主体的に関与したと思える体験または思えない体験を聞くためのインタビューガイドを作成し、研究計画を完成した。その際、予備調査結果から出産に主体的に関与できたと思える体験または思えない体験を抽出したもの、さらに出産体験の尺度から、インタビューガイドを作成した。作成後、母性看護学研究者・医療人類学者と適宜、妥当性を検討し、本調査の研究計画を精錬させた。 データ収集の実施は、倫理審査承認後、研究協力が得られた4施設で妊娠35週に予定帝王切開が決定しており、日本語で出産の体験や思いを話せる妊婦へ研究協力の依頼を行った。その結果、同意が得られた10名にインタビューを開始した。インタビュー方法は、COVID-19の影響で施設側より要請を受け、対面ではなくWebインタビューで行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、研究計画書の作成と倫理審査の承認を経て、研究協力を依頼し、インタビューを一部実施できた。 研究計画書の作成では、予定帝切の女性が出産に主体的に関与したと思える体験または思えない体験を聞くためのインタビューガイドを作成し、研究計画書を完成した。その際、予備調査結果から出産に主体的に関与できたと思える体験または思えない体験を抽出したもの、さらに出産体験の尺度から、インタビューガイドを作成した。作成後、母性看護学研究者・医療人類学者と適宜、妥当性を検討し、本調査の研究計画を精錬させ、ほぼ計画通り、作成できた。 データ収集の実施については、COVID-19の影響を受け、計画通り進めることが困難な状況であった。まず、研究者が施設へ研究協力の説明に伺うことが施設から許可されず、メールと郵送のやり取りによる研究協力の依頼までに時間を要した。倫理審査の申請では、研究協力に同意した施設からの要請もあり、研究協力依頼方法やデータ収集方法の確認や調整が必要となり、通常より時間を要した。施設からの強い要望あるいは条件として、部外者である研究者と研究協力者の接触を最小限にするまたは接触しない方法で行うように求められた。そのため、施設ごとの対応を反映して研究依頼方法・データ収集方法を変更した。そして、倫理審査承認後、研究協力が得られた4施設で研究協力候補者へ研究協力依頼を行った。研究協力候補者は、妊娠35週に予定帝切が決定しており、日本語で出産の体験や思いを話せる妊婦であり、施設によって研究者が直接または、施設スタッフから研究協力の依頼を行った。その結果、同意が得られた10名にインタビューを開始した。インタビュー方法は、COVID-19の影響で施設側より要請を受け、対面ではなくWebインタビューで行った。このように、データ収集までに予定より時間を要したが、研究協力は順調に得られ、データ収集は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度も、データ収集を行うと同時に分析をしていく。その際、まず、2020年度にデータ収集、3回目のインタビュー終了者を2~3例毎に分析を行う。その際、母性看護学研究者・医療人類学者からスーパーバイズを受け、インタビューガイド、分析方法などを検討しながら、次のインタビューへ進む。研究協力者が初産婦・経産婦、予定帝切の決定時期・適応などの多様性が同数程度となるよう選定してき、最低20名にインタビューを行うこととする。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定通り使用できているが、2126円残金があるため、次年度のUSB購入に充てたいと考える。
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