研究課題/領域番号 |
20K10885
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
本多 直子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (50746617)
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研究分担者 |
舩越 康智 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (60457554)
森藤 香奈子 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70404209)
祖父江 育子 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (80171396)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 小児がん経験者 / 自己開示 / 教員 / 保護者 |
研究実績の概要 |
小児がんの治療率は向上し入院治療後、子どもたちの多くは学校生活へ復学する。復学後小児がん経験者が直面する社会的困難への支援は、彼ら/彼女らの社会への再統合に向けての喫緊の課題である。本研究の目的は、小児がん経験者への支援として、がん経験の自己開示に関する情報を中心とするWEBサイトを開設し、Webサイト利用後の小児がん経験者の学校適応やQOL等を評価することである。 本年度は、小児がん経験者の自己開示経験のインタビューを3名追加実施し、合計22名で本研究のインタビュー調査を終了とした。現在、調査結果を質的研究分析ソフトを用いて分析し、論文執筆中である。また、思春期から若年成人のがん経験者の自己開示の文献レビューを実施執筆し、投稿準備中である。 レビューとインタビュー調査からは、一致する知見が多く得られたが、研究が実施された国の文化的、医療的背景の違いによる影響も示唆された。これらの研究結果から、がんの自己開示への支援を必要とする要因や傾向などが明らかとなった。昨年度の小児がんに関する知識と小児がん経験者への態度に関する大学生への調査結果もあわせて、自己開示に関するWebサイトの開設への基礎的な資料となる知見を得ることができた。 また、小児がん経験者の自己開示に関する文献レビューを行い、THE 4TH CONFERENCE ON PUBLIC HEALTH IN ASIA COPHA 2021において研究結果を公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の感染拡大の影響により、がん経験者へのインタビュー調査が遅延し、さらに、インタビューデータ分析に使用した質的研究分析ソフトの習熟に想定以上に時間を要した。そのため、今年度までに実施予定であったWebサイトの情報収集・作成に遅延を生じている。しかし、小児がん経験者の自己開示の文献レビュー、大学生への小児がん経験者への態度のアンケート調査、および小児がん経験者へのインタビュー調査の結果から小児がん経験者の自己開示の支援への知見を得ることができた。その結果に基づき次年度はWebサイトの開発に向けて進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、着手した2論文の執筆・投稿を速やかに進める。本研究のテーマである自己開示に関するWebサイトに関する情報収集を実施し、今年度までに蓄積した研究結果を踏まえ、Webサイトの内容の検討を研究分担者とともに着手する。また、本研究課題に基づいた、小児がん経験者の自己開示に関する論文の執筆により、小児がん経験者の自己開示に関するエビデンスの構築を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度は、COVID-19感染拡大の影響により県外で開催された学会や、研究打ち合わせなどの旅費の経費が抑えられ、次年度使用が発生した。 令和4年度は、研究で使用するプリンターなどの機器の購入、本研究課題で執筆した論文の翻訳・校正の費用として適切に使用する予定である。
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