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2023 年度 実績報告書

新生児における常在細菌の獲得と形成に関わる基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K10889
研究機関長野県看護大学

研究代表者

中畑 千夏子  長野県看護大学, 看護学部, 講師 (60438174)

研究分担者 坂田 憲昭  長野県看護大学, 看護学部, 教授 (70158921)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード新生児 / 常在細菌 / 表皮ブドウ球菌
研究実績の概要

NICUへ入室中の新生児において,S. aureusのような病原性細菌への感染を阻止するうえで,有効な看護方法に関する基礎的資料を,児への健全な常在細菌定着の促進と児への感染源の伝播の防止という二つの側面から得ることを目的とした調査を実施した.A産科クリニックにおいて,調査期間に出生した健常新生児とその母親54組を対象とした.母児の鼻腔からS. epidermidisを分離し,Multiple-locus variable-number of tandem repeat analysis (MLVA) 法を用いて母児間における菌株の異同を調査した.また、新生児から分離されたS. epidermidis菌株の異同(genotype)を比較することにより,新生児間の細菌の伝播の状況について検討した.対象とした母児の入院中における経過や育児状況等については診療情報から収集し,母児間,新生児間のS. epidermidisの移行との関連について分析した.出生から退院時までの試料について11組で母親由来S. epidermidisの児への移行が確認され,生後1日目の鼻腔検体から何らかの細菌が分離された児 (9名)では,母親由来S. epidermidisの移行が有意に多かった (P=0.018) .この9例のうち,8例では出生早期に直接授乳が行われていた.今後はこの結果をもとに、NICUの児に対してこれに代わる介入方法を検討する。また新生児間では,6つのS. epidermidis菌株のうち2名から共通して分離された菌株が5つ、5名から共通して分離された菌株が1つであった.入院期間が重ならない児の間でも共通の菌株が確認された.医療従事者や環境を介した新生児への細菌の水平伝播が生じる可能性が示唆された.これを防止するために、医療従事者における手指衛生が重要であることが改めて示唆された.

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公開日: 2024-12-25  

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