研究課題/領域番号 |
20K10890
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研究機関 | 大阪信愛学院大学 |
研究代表者 |
楢木野 裕美 大阪信愛学院大学, その他部局等, 教授 (90285320)
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研究分担者 |
岡崎 裕子 大阪公立大学, 看護学研究科, 講師 (00382250)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 医療的ケア / 不適切養育 / 乳幼児をもつ親 |
研究実績の概要 |
本研究は、医療的ケアが必要な乳幼児をもつ親の不適切養育行動アセスメント指標を開発することが目的である。 医療的ケアを要する乳幼児をもつ親の不適切養育アセスメント指標原案は5下位概念90項目で、表面妥当性・内容妥当性を検討し、5下位概念67項目の指標案になった。指標案の信頼性・妥当性を検証した。地域医療支援病院、小児専門病院で、小児看護に携わる看護師(機関に関わりのある訪問看護師を含む)1,000人を目標に、118病院を無作為抽出し、研究協力意向調査を実施した。協力の意向のあった55施設に、研究協力者の看護師に研究依頼書、自記式無記名式質問紙の配布を依頼し、質問紙への回答を求め、郵送法で回収した。調査の実施に当たり、所属機関の研究倫理委員会の承認を受けた。 結果、300を分析対象とした。分析は、回答欠損率、平均値、標準偏差等の基礎統計量、ヒストグラム、GP分析、I-R相関により項目分析を行った。回答欠損率は、欠損率5%以上は除外、I-R相関の相関係数は、0.25未満を基準とした。天井効果・フロアー効果、尖度、歪度を確認した。GP分析により各項目の上位群(75パーセンタイルの対象)・下位群(25パーセンタイルの対象)の2群間の平均値の差を検定し、有意差のない項目は除外した。次に、信頼性の検討として、Cronbach’s αの値を算出し、α係数が0.8以上であることを確認した。妥当性の検討として、構成概念妥当性は、因子を抽出する探索型因子分析を行い、抽出した因子を潜在変数、それに属する項目を観測変数としてモデルを作成し、共分散構造分析を用いて確認的因子分析を行い、モデル適合度を評価した。4下位尺度25項目の指標を作成した。 作成した医療的ケアを要する乳幼児をもつ親の不適切養育アセスメント指標の活用について試行しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に作成した、医療的ケアを要する乳幼児をもつ親の不適切養育アセスメント指標原案の信頼性、妥当性を検証するために質問紙調査を実施した。質問紙調査開始時期がコロナ感染症第7波のために遅れたが、予定したデータ数を得ることができ調査を終了した。質問紙は郵送法により回収した。郵送法による一般的な回収率であった。分析では、項目分析を行った後、信頼性、妥当性を検証し、おおむね確保した指標を作成することができた。作成した指標を活用することにより、指標の検討をする予定である。以上により、進捗状況は、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
医療的ケアを要する乳幼児をもつ親の不適切養育アセスメント指標の活用を進める予定である。 1)指標の活用について、研究でかかわりのある看護職者の実践場面(医療機関及び訪問看護)での活用を進める。活用状況、指標に対する意見を求める。保健師からの意見も求める予定である。 2)指標のブラッシュアップについて、活用に関する意見をまとめ、指標項目と作成過 程において削除された項目との見直しを行う。そのうえで、指標項目の追加あるいは削除を試みながら、指標の信頼性、妥当性について検討し、最終的な報告書にまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染第7波の影響から、医療的ケアが必要な乳幼児をもつ親の不適切養育行動アセスメント指標案の信頼性・妥当性の検証のための調査の開始時期が遅くなったが終了し、指標作成に至った。保健師への協力を求めることは難しく医療機関の看護師、そこに関わる訪問看護師を対象とした。本指標の活用を始めたので、活用数を増やすために延長願いを提出した。指標の活用を広げるための予算及び特に医療機関に対して指標を普及するために予算を執行する。
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