研究課題/領域番号 |
20K10903
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
端山 淳子 東海大学, 医学部, 准教授 (70713759)
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研究分担者 |
中山 和弘 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (50222170)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 食物アレルギー / Shared decision making / 意思決定ガイド / decision Aid / 親子 / 意思決定支援 / 意思決定葛藤 / 治療 |
研究実績の概要 |
【最終年度の成果】 食物アレルギーは小児期に発症し、親子で長期に向き合っていくことの多い疾患である。そのため、医療者の継続的な親子への支援が必要である。最終年度は、治療法の選択を支援することを目的としたDecision Aid「一緒に考えよう食物アレルギーの治療法」のパイロットテストを実施した。本研究は、親と子ども、それぞれに及ぼす影響やDecision Aidの有用性を検討する上でのより深い理解に繋げるため、量的・質的データ両方を収集した。 研究協力の得られた施設の参加者、親9名・子ども4名、計13名のデータを分析した。本Decision Aidの介入の影響として、介入後1週間時点での親の意思決定葛藤(Decision conflict scale)の有意な改善がみられた。また親の、子どもの治療に対する気持ちを知ることや子どもが意思決定に関与することの重要性への気づき、親子で意思決定を協働していこうとする意識が芽生えた。子どもについては、子ども自身の疾患の受け止めや治療に関する意思が親とは異なること、また、親や医療者と、それらを表出したり話し合う機会を提供してほしいというニーズを持つことが明らかとなった。 【研究期間全体の成果】 Shared decision makingを基盤に持つDecision Aidは、意思決定葛藤などを改善することが報告されており、アレルギー・食物アレルギー分野における開発が期待されている。本研究全体を通して、国際的に推奨される手順に従い、意思決定ニーズの調査・試作版Decision Aidの内容適切性評価、パイロットテストを実施し、日本で初めての食物アレルギー分野のDecision Aidを開発することができた。最終版Decision Aidのパイロットテストにおいては、親の意思決定葛藤の改善や親子の対話促進効果がある可能性を持つことが示唆された。
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