研究課題/領域番号 |
20K10908
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
東 真弓 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (20447981)
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研究分担者 |
古田 真里枝 京都大学, 医学研究科, 教授 (20390312)
西村 亜希子 香川大学, 医学部, 准教授 (70738674)
原島 伸一 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (80444793)
千草 義継 京都大学, 医学研究科, 助教 (80779158)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 妊娠糖尿病 / 皮下連続式グルコース測定 |
研究実績の概要 |
本研究では、正常耐糖能(NGT)妊婦と妊娠糖尿病(GDM)妊婦の妊娠期(初期・中期・末期)、分娩期および産褥期の血糖変化を、持続血糖モニター(CGM)を用いて明らかにし、NGT妊婦の血糖変化と比較することで、GDM妊婦の妊娠期および分娩期の血糖管理目標を提案し、周産期合併症を予防することを通して母児の健康を守ることを目指した。 令和4年度は、COVID-19の影響で遅れが生じていたNGT妊婦、GDM妊婦に対するCGMを継続した。各群それぞれ50例を対象とし、NGT妊婦はほぼ目標の症例数を達成できた。GDM妊婦は、非常時におけるGDM診断が確立しておらず(研究分担者が現在論文作成中)、診断の観点から目標症例数を達成できず、次年度に引継ぎ、全国25施設による多施設共同研究としてデータ収集継続となった。 得られたデータは、様々な血糖関連指標(平均血糖や標準偏差、Time in Rangeなど)を用いて数値化した。NGT妊婦およびGDM妊婦のデータの一部は、第38回糖尿病・妊娠学会総会(令和4年11月,東京)で発表し、さらに、第66回日本糖尿病学会年次学術集会で発表予定である。 NGT妊婦では、年齢をマッチングさせた非妊娠女性に比べ、妊娠期すべてにおいて平均血糖および食後血糖値は低く、糖尿病学会や産科婦人科診療ガイドラインが示す現行の血糖管理目標よりも低値であった。また、GDM妊婦では、インスリン治療を必要としない症例は上記目標をほぼ達成できていた。しかし、Heavy for date(HFD)児や新生児低血糖を示す症例も散見され、上記目標では管理不十分であることが示唆された。一方、分娩時は、NGT妊婦でも上記目標を達成することが困難であった。 以上から、妊娠期及び分娩期の血糖管理目標は見直しが必要であり、さらなるエビデンスの構築と新たな血糖管理目標指針の策定に向け、研究を継続している。
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