研究課題/領域番号 |
20K10929
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研究機関 | 沖縄大学 |
研究代表者 |
新城 正紀 沖縄大学, 健康栄養学部, 教授 (50244314)
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研究分担者 |
井上 松代 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 准教授 (30326508)
赤嶺 伊都子 沖縄県立看護大学, 保健看護学研究科, 准教授 (60316221)
田中 英夫 滋賀医科大学, 医学部, 客員教授 (60470168)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | IPV / 被害者発見認識尺度 / 基準関連妥当性 / 有効性 / 尺度開発 / 支援 / 連携 / DV |
研究実績の概要 |
平成25年-27年度科学研究費(基盤研究(C))により、配偶者などのパートナーから暴力を受けた被害者を発見する「IPV被害者発見尺度」(Detection Scale for Intimate Partner Violence、以下、DS-IPV)を考案した。平成28-31年度科学研究費(基盤研究(C))によりそのDS-IPVの有効性・有用性についての調査および検討を行った。本研究は、DS-IPVの基準関連妥当性の検討、カットオフ値の設定、利用マニュアルの作成を行い、DS-IPVの実用化について検討することを目的とする。 これらのDS-IPVの実用化に向けた取組みは、病院、配偶者暴力支援センター、警察および行政機関(保健所など)などの協力を得て行う。 DS-IPVの実用化は、潜在しているIPV被害者を見つける(可視化する)こと、被害者支援機関の連携や協力体制の強化に役立ち、科学的根拠に基づいた効果的なIPV被害の予防や対策への貢献が期待できる。 基準関連妥当性は、DS-IPVと「女性に対する暴力スクリーニング尺度(violence Against Women Screen: VAWS)」との相関関係等の検討により確認する。VAWS使用については、尺度開発者から承諾を得た。基準関連妥当性は、新しく開発したDS-IPVと既存のVAWSと同時点で測定し、両者の相関により検証する(併存的妥当性)。 診療情報としてVAWSをルーチンに活用している医療機関(A母子医療センター)の協力により、DS-IPVおよびVAWSを同時測定した1000件のデータの収集を行うことができた。また、データの整理およびデータ入力を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
診療情報としてVAWSをルーチンに活用している医療機関(A母子医療センター)の協力により、DS-IPVおよびVAWSを同時測定した1000件のデータの収集を行うことができた。また、データの整理およびデータ入力を行た。 今年度は、データの分析を行いDS-IPVの基準関連妥当性の検討、カットオフ値の設定、DS-IPVマニュアル作成、DS-IPV利用マニュアルを用いたDS-IPVスクリーニングを実施する。 やや遅れた理由は、1000件のデータ収集に15カ月を要したこと、新型コロナ感染症の流行により研究活動を行うための時間の確保が困難であったこと、研究協力機関および研究者間の情報交換ができなかったことが主な要因である。
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今後の研究の推進方策 |
DS-IPVの基準関連妥当性の分析・検討、カットオフ値の設定、DS-IPVマニュアル作成、DS-IPV利用マニュアルを用いたDS-IPVスクリーニングの実施を行い、実用化に向けた取り組みを行う。また、DS-IPV利用マニュアルを用いたDS-IPVスクリーニングの評価、DS-IPV利用マニュアルの修正および修正版作成、DS-IPVの普及の取り組み、研究成果について国内外の学会等で公表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
1000件のデータ収集に15カ月を要したこと、新型コロナ感染症の流行により研究活動を行うための時間の確保が困難であったこと、研究協力機関および研究者間の情報交換ができなかったことなどにより、予定通りに研究を進めることが出来なかったことから、次年度使用額が生じた。今年度は、収集したデータの詳細な分析を進め、研究活動に要する費用を活用して研究を進める。
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