研究課題/領域番号 |
20K10935
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
新福 洋子 広島大学, 医系科学研究科(保), 教授 (00633421)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国際研究者交流 / 国際保健学 / 助産学 / ICT / 在来知 / 妊娠 / 女性を中心としたケア / アプリ開発 |
研究実績の概要 |
本研究では、タンザニアにおける助産実践を、妊婦がより健康になるための「女性を中心としたケア」に変革するため、WHOガイドラインを地域化(Localize)し、助産師が共有するシステムを構築することで、ケアの質が改善するかを評価することを目的とする。具体的には、3年間で①開発した助産師教育アプリに機能を追加し、タンザニアの助産師が行っている地域性の高いケアに関連した知識(在来知)を集積する、②集積した在来知を、研究者グループで安全性と有効性を評価した上でアプリに組み込み、③助産師の双方向のコミュニケーションを促進し、その助産師のケアを受けた妊婦が「より健康的になった」と感じられたかを評価する。2020年度は①については助産師教育アプリに加え、妊婦と健診情報を共有できるPersonal Health Record(電子母子手帳のような内容)を開発し、アプリをアップデートさせた。これにより、助産師側の知識の向上のみならず、アプリから直接妊婦への情報提供が可能となる。また、タンザニアの助産師にFocus Group Discussionを行って、助産師教育アプリの使用感と、妊娠・出産に関わる在来知の元となるデータを取得した。前年度までに助産師教育アプリの実装研究のパイロットデータとして取得したデータを元に、国際学会での発表と国際学術誌への論文投稿を行った。新型コロナ感染症の拡大により現地渡航は叶わなかったが、現地の研究協力者とオンラインにて会議を遂行し、渡航せずに可能な形で研究を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナ感染症の拡大により現地渡航は叶わなかったが、現地の研究協力者とオンラインにて会議を遂行し、渡航せずに可能な形で研究を進めることができた。研究代表者の妊娠・出産に伴い、集積したデータの分析作業は一時停止状態である。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者の復帰後、データ分析に他の研究者にも参加してもらい、2名にてスピード感をもって分析を進める。2021年度に予定していた②集積した在来知を、研究者グループで安全性と有効性を評価した上でアプリに組み込む作業は日本にいながら進行可能であるため、オンラインでタンザニアにいる研究者と連携しながら進行予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の拡大により、予定していたタンザニア渡航が叶わなかった。それに伴い、現地で使用する予定であった物品等も購入せず、人件費も使用しなかった。代わりに現地の研究協力者がデータ収集を進めることで研究を進行した。次年度も渡航が可能になるかは未定であるが、データ分析に人を雇用してスピーディに論文執筆を進める予定であること、渡航が可能になれば、更新したアプリの実装研究を進める予定である。
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