研究課題/領域番号 |
20K10937
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
星出 まどか (梶本まどか) 山口大学, 医学部, 講師(連携講座) (30610878)
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研究分担者 |
松重 武志 山口大学, 医学部附属病院, 講師 (60528941)
井上 裕文 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70650604) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 医療的ケア児 / 乳児 / 難治てんかん / 腸内細菌叢 / てんかん治療 / IESS |
研究実績の概要 |
山口大学医学部附属病院で定期通院中の小児中枢神経疾患、筋疾患で経管栄養(胃管、十二指腸チューブ、胃瘻)を施行している18歳までの小児でご家族の同意を得られた10例について解析した。除外基準としては経管栄養開始後1か月以内、経口摂取を併用、感染症罹患中である児。解析内容は性別、年齢、基礎疾患、合併症、併用薬、栄養剤および末梢血・一般生化学・カルニチン・重金属・免疫機能について各種検討した。栄養剤はエネーボ、ラコール、エレンタール、エンシュアを使用していた。いずれの児もすでにカルニチンが補充されている栄養剤を使用しており、また5例で2種類以上の栄養剤を補充しているためか、明らかな低カルニチン血症や重金属低値は認められなかった。また、どの症例も栄養剤の調整を開始後は感染症で入院する頻度は減ったが、年齢が進んだ影響も示唆された。医療的ケア児の基礎疾患はバラエティーに富んでおり、脳性麻痺、染色体異常、交通外傷後、先天性サイトメガロウイルス感染症などだった。医療的ケア児の基礎疾患の幅は広く、解析に困難さがでることが判明した。また、昨今の医療の進歩ですでに栄養剤の改良が進んでおり、現在投与中の栄養剤では低カルニチ ン血症は認められなかった。そのため、医療的ケア児の基礎疾患となりうる発達性てんかん脳症(IESS、レノックスガストー症候群、頻回のてんかん重積をきたす難治てんかん)について、健常児と比較し、腸内細菌叢に治療前や治療後で健常児と比べて差異がないか研究目的を軌道修正することとした。解析検体は①健常群(26例)、②疾患群治療前(12例)、③治療有効群(10例)、④および再発群(5例)の便を非侵襲下に採取し、生体関連アンプリコンシーケンスデータ解析(RDP/微生物同定データベース)、QIIMEⅡによる多様性解析をテクノスルガラボ社で行った。(倫理的配慮:当院IRB番号2020-122)
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