研究課題/領域番号 |
20K10940
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研究機関 | 岩手県立大学 |
研究代表者 |
アンガホッファ 司寿子 岩手県立大学, 看護学部, 准教授 (30381304)
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研究分担者 |
吉沢 豊予子 東北大学, 医学系研究科, 教授 (80281252)
中村 康香 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (10332941)
吉田 美香子 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (40382957)
武石 陽子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (00586505)
川尻 舞衣子 東北大学, 医学系研究科, 助教 (70815852)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 既婚女性 / 挙児希望 / 妊孕性知識 |
研究実績の概要 |
協働研究で実施の20代から40代の生殖世代にある、現在あるいは将来的に挙児を希望する男女を対象に実施した質問紙調査から、有配偶女性104名を対象に結果をまとめた。質問紙では、妊孕性の知識、家族形成に関する意識、キャリア形成に関する意識、および基本属性についてデータを得た。 今回の分析対象である既婚女性の平均年齢は36.3±6.0歳、73.1%が就労しており、学歴は大学卒以上が40.4%であった。 希望する子どもの数は、平均1.6人で、「1人」と回答したものが46.2%、「2人」が43.3%と、1~2人で9割を占めた。不妊治療の既往がある女性は34.6%となっており、「自分が妊娠できる確率」について得られた数値の回答では、「50%」としたものが最もおおく22.1%であった。 妊孕性に関する知識の結果では、妊孕性と年齢の関連、性感染症や肥満が及ぼす影響については知識が高い傾向があった。一方で、プレコンセプションケアに関連する項目、葉酸摂取、思春期の食生活、風疹ワクチンについては、「わからない」という回答が最も多かった。体外受精や顕微授精といった特定不妊治療の女性を受けるには女性が42歳までに受診しなければいけないということについて、約半数が「わからない」と回答した。 以上のことから、有配偶女性は3人に1人が不妊治療を経験していることもあり、妊孕性に影響を及ぼす、つまり妊娠しづらくなる影響因子についての知識は高かった。しかし、特定不妊治療の女性の年齢条件や、プレコンセプションケアの視点の知識は低く、実際に子どもを希望する前の段階からのリプロダクティブ教育が必要といえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今回は100名程度の有配偶女性の、妊娠・出産および不妊に関する知識の習熟度について結果を得ることができたが、面接の実施によって質問内容を検討し、さらに多くの対象者への調査が必要と考えられるため。 また、成果発表をすることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
文献検討および情報収集を引き続き行い、日々進歩する生殖医療の知識を更新したうえでの研究活動を行う。 挙児を希望する有配偶女性5名程度を対象に個別面接を実施し、これまでの結果を補完したうえで質問紙調査を500名を対象に行う。その分析結果から、リプロダクティブライフプランを自己管理する支援の検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染拡大の影響で、研究打合せが対面からオンラインへ形態が変わったこと、渡航が困難なことも一因で国外での学会発表ができなかったことで、旅費の支出が予定より少なかったことが理由として挙げられる。また、オンライン調査費用の支出もなかったことから、次年度使用額が生じた。 今後は、国外の学会発表もオンライン形態が主となることが予測されるが、英文校正での使用を計画している。また、オンライン質問紙調査費への支出を計画している。
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