研究課題/領域番号 |
20K10943
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
井上 みゆき 和歌山県立医科大学, 保健看護学部, 教授 (80347351)
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研究分担者 |
熊谷 健 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60316114)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 早産児 / 発達 / 養育環境 |
研究実績の概要 |
国外文献検討の結果、早産児の認知発達に影響する養育環境は、母親の反応性、母親と子どもの相互作用、母親のコミュニケーション、ポジティブな感情、社会経済的地位の低さと関連していた。遺伝要因よりも、養育環境が影響を反映していることを示唆していた。 本年度は、出生体重1500g未満の低出生体重児の病態・治療および養育環境両方を変数に加え神経運動発達との関連要因を1歳6カ月,3歳,6歳のそれぞれの発達を促進する要因を明らかにすることである。 しかしコロナ感染症の影響があり、新生児発達外来の受診を控える親子が多く、交絡因である新生児期の病態や治療を入れて統計解析はできない現状にある。5月20日現在、1歳6ヶ月児21名、3歳児12名、6歳児16名のデータ収集が終了した。今年度は、記述統計、および相関の結果を示す。K式発達検査の結果は、1歳6ヶ月で平均94.4(最小68-最大112)3歳時の平均93.6(最小79-最大114)であった。6歳児のWISC-Ⅲ知能検査は、言語理解指標92.0(最小62-最大115)知覚推論指標89.0(最小78-最大98)ワーキングメモリー指標91.3(最小65-最大128)処理速度指標93.6(最小70-最大107)であった。1歳6か月時の発達に影響していた親の関りは「退屈そうなとき一緒に遊ぶ」「イライラしているときにどうしたのと聞く」「母親が喫煙していない」であった。3歳時は、「イライラしているときにどうしたのと聞く」「父親が喫煙していない」であった。6歳時の言語理解指標は、「家族と一緒に過ごす時間をもつ」「疲れているときに子どもを抱っこする」であり、ワーキングメモリー指標は「父親の学歴」と処理速度指標は「イライラしているときにどうしたのと聞く」であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ感染症の拡大により、新生児発達外来の受診を控える親子が多く、発達検査のデータ収集が進まない。
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今後の研究の推進方策 |
新生児発達外来の受診は、その後の子どもの発達に影響するため外来を受診するように促す。データを増やし発達と低出生体重児の病態・治療および養育環境の 関係を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
国際学会ICN Congress 2021 - は、アラブ首長国連邦(UAE)アブダビで開催予定のため、旅費を計上していたが、コロナ感染症の拡大に伴いvirtual platformでの開催となった。また第66回日本新生児成育医学会・学術集会は、2021年度は中止、2022年度へ開催が延期となった。 そのため、学会への旅費・参加費が残金となった。世界的にwithコロナとなっていることもあり、2022年度は国際学会、第66回 日本新生児成育医学会・学術集会への研究成果発表を予定している。残金はそれらの経費に充てる。
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