研究課題/領域番号 |
20K10956
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
海地 伊沙名 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任研究員 (40843785)
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研究分担者 |
清水 栄司 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (00292699)
浦尾 悠子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任講師 (40583860)
小柴 孝子 千葉大学, 子どものこころの発達教育研究センター, 特任研究員 (40816295)
佐藤 泰憲 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 准教授 (90536723)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 不安予防 / 台湾 / 小学校 |
研究実績の概要 |
令和3年度は、【①台湾国内における繁体字版スペンス児童不安尺度(SCAS)の信頼性・妥当性の検証】と【②台湾国内の小学校における、台湾版「勇者の旅」プログラムの実施可能性と効果の検証】が行われた。 【①台湾国内における繁体字版スペンス児童不安尺度(SCAS)の信頼性・妥当性の検証】 11,12歳の児童188名に対してSCASとMultidimensional Anxiety Scale for Children (MASC)それぞれの質問紙に回答してもらい、台湾国内におけるSCASの信頼性と妥当性を確認した。しかし、一部台湾の児童が理解することが難しい文言があり、②を実施する前に改良を加えている。 【②台湾国内の小学校における、台湾版「勇者の旅」プログラムの実施可能性と効果の検証】 介入群8名に対し、グループカウンセリングルームにて「勇者の旅」プログラムが実施された。対照群8名に対しては、輔導室の通常プログラム(Career Exploration Program)が実施された。研究参加児童は、介入前、介入直後、フォローアップの計3回、スペンス児童不安尺度(SCAS)、主観的幸福感尺度(PWBS)、学校生活調整尺度(SLAS)にそれぞれ回答した。 分析の結果、介入群において、SCAS, PWBS, SLASの有意な変化は確認できなかった。但し、SCASの下位尺度である分離不安と、PWBSの下位尺度であるlife goalにおいて、有意な変化を認めた。また、フィードバック質問紙や教員インタビューなどの質的データより、「勇者の旅」を受講した児童生徒は、自分自身についてより理解できるようになり、不安場面でより辛抱強く、かつより自己表出することができるようになった可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
令和4年度に、プログラムの結果を分析する予定であったが、すでに分析を終えることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、「勇者の旅」プログラムを台湾の子どもたちや小学校に合わせて改良していく予定である。また、より多くの子どもたちに不安予防プログラムを提供する方法について検討を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
【次年度使用額が生じた理由】次年度も新型コロナウイルスの影響で台湾に渡航することができなかった。そのため、旅費が不要となった。
【今後の使用計画】台湾の児童や小学校に合わせてプログラムの改訂が必要であり、プログラムの繁体字訳や改訂したワークブックの印刷経費にあてる予定である。
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